月5話 最後のお願い

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トトリ『……すみません、〇〇さん』

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胸の痛みは、一晩中おさまることがなかった。

翌朝……

荷物をまとめて部屋を出るも、トトリさんの部屋の前で立ち止まった。

(この国を出る前に……もう一度トトリさんと話ができたら……)

そう思い、彼の部屋の前でじっと扉を見ていると……

〇〇「……!」

トトリ「あっ、〇〇さん……」

扉が開いて、トトリさんが部屋から顔を出した。

トトリ「ちょうどよかった、街まで見送りに行こうと思っていたんです」

〇〇「あの……」

トトリ「……?」

切ない気持ちが胸をいっぱいにして……

〇〇「トトリさん……もう少しだけ、一緒にいてもらえませんか?」

自然と言葉が、こぼれ出ていた。

トトリ「……」

少しの沈黙の後……

トトリ「わかりました。もう少し、一緒に過ごしましょう」

トトリさんが、優しく微笑んでくれた。

願いが聞き入れられたというのに……

その静かな声に、胸の痛みは増すばかりだった……

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