月7話 果たすべき役割

払われた手と……そして胸が鈍く痛む。

トール「……俺は、行く。 俺がヨルムンガンドを倒して来れば、安全に外を歩けるようになる。 そうしたら……アンタはさっさと自分の国へ帰れ」

○○「トールくん……」

(さっきは笑ってくれたのに……)

再び冷たい瞳で私を見据える彼に、心の痛みがどんどんと増していく。

○○「……一人で、行くんですか?」

トール「当然だ。それが俺の使命だからな」

○○「だけどトールくんがたった一人ですべてを背負うなんて、私はそんなの嫌です。 「だから…-」

トール「黙れ」

トールくんの今までにないほど冷たい声に、体がびくりと震えてしまう。

トール「アンタのことだ。どうせ自分も連れて行けとか言うんだろう。でもな……。 俺には果たすべき役割がある。そのためには、他の連中が傍にいたら迷惑なんだ。 それはアンタだって例外じゃない……。 いや……アンタだからこそ、迷惑だって言ってんだよ」

○○「トールくん……だけど、それでも私は…-」

トール「いい加減うざいんだよ、どんくさ女! 黙れよ!」

○○「……っ!!」

張り詰めた声が空気を切り裂き、私は息を呑む。

トール「俺を目覚めさせてくれたことには感謝してる。だがそれはそれだ。 ・・・・・・さっさと帰り支度を整えておけ」

トールくんはそう言うなり、踵を返して走り出す。

すると・・・・・・

兵士2「あのトール様が、あんなに声を荒げるなんて・・・・・・。 ・・・・・・よほど、姫様のことが大切なんですね」

○○「え・・・・・・?」

兵士2「あの方は誰の助けも必要としていない。私達は、それを信じて疑いませんでしたが・・・・・・」

兵士さんはトールくんが走り去っていった方角を、真剣な表情で見つめる。

そして・・・・・・

兵士2「姫様、どうかお願いです。私と一緒にトール様の元へ同行していただけないでしょうか。 私が命に代えてもお守りするとお約束します。ですから、どうかあの方を・・・・・・」

兵士さんが、震える声で懇願する。

そんな彼に、私は・・・・・・

○○「・・・・・・はい。トールくんを、二度と一人にはしません」

強くそう答えた後、私は兵士さんと一緒にトールくんの元へと向かったのだった・・・-。

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