月7話 白熱した話し合い

〇〇「私も他の人に聞いてみることに賛成です。私達だけで考えるより、いいかもしれません」

そう言うと、サイさんは安心したように息を吐いて、悩んでいた顔を上げた。

サイ「じゃあ、僕は早速二人に相談してくるよ。〇〇は先に休んでいて」

〇〇「あ。私も、一緒に…-」

そう言いかけると、サイさんは首を横に振った。

サイ「もう時間も遅いし、相談だけだから大丈夫だよ。内容は、きちんと君にも伝えるから」

(……サイさん?)

どこか焦ったように言うサイさんが、少し気になったけど……

〇〇「わかりました」

そう頷いて、私達は城の廊下で別れたのだった…-。

……

翌朝、私は『ティーガ探偵団』の事務所になっている部屋を訪ねた。

そっとドアを開けると、サイさんが一人、ぐったりした様子で椅子に座っている。

〇〇「サイさん? ……何かあったんですか?」

心配して声をかけると、サイさんはまぶしそうに窓を見て笑った。

サイ「あぁ……うん、二人と話してたら朝までかかっちゃって……」

〇〇「じゃあ、お二人は……?」

サイ「ティーガはまだ寝てるんじゃないかな。リドは依頼のペット探しが終わらないからって……。 徹夜明けなのに、すごく元気に部屋を出てったよ」

サイさんのために紅茶を淹れて、彼の隣にそっと腰を下ろす。

(そんなに白熱したんだ……)

〇〇「いいアイディアは浮かびましたか?」

サイ「うーん……とりあえずは、依頼の通りに彼女の好きなものを調べて報告しようと思う」

サイさんは小さく頭を振って、疲れを払うような仕草をした。

サイ「それまでに、僕達にできることを見つけていきたいと思って。 でも……あまりお節介をしすぎても、よくないよね」

〇〇「いいと思います。サイさんの気遣いは、お節介なんかじゃありません」

昨日も今日も、いろんなことをおもんばかって行動するサイさんの姿を思い返す。

(だから皆、サイさんに頼りたいって気持ちになるんだろうな)

サイ「ありがとう。〇〇がそう言ってくれると、安心できるよ」

ふわりと微笑まれ、その優しい笑顔に胸の奥がくすぐられる。

(サイさんの笑顔……好きだな)

今さらながらにそのことを感じて、心が熱くなる。

一生懸命な彼も、こうして優しい顔で笑う彼も、私の中で特別な存在で……

(恋……)

サイさんに見えないように、私はこっそりと息を吐いた。

(……私も、サイさんに少しでも気持ちを伝えられたらいいのに)

そんな思いを抱きながら、依頼をこなそうとする邁進する彼をじっと見つめていた…-。

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