月SS 大切な仲間

穏やかな陽の光が、私の頬を照らす…-。

(スネークさんの照れた表情、かわいかったな)

恐る恐る感謝状を受け取ったスネークさんを思い出すと、自然と頬が緩んだ。

(後は、元の世界へと戻る方法が見つかれば……)

(そういえば、スネークさん……いったい、どこにいるんだろう?)

最近は城にいることが少なく、私はいつも彼の姿を探していた…-。

人々が行き交う街中で、私はスネークさんの姿を探していた。

街の男性「悪いけど、わからないねえ」

〇〇「そうですか……ありがとうございました」

(どこに行っちゃんだろう?)

ため息を吐くと、街の男性が笑いながら私の肩を叩く。

街の男性「そうだ、最近噂になっている曲芸師達がいるんだ。せっかくだから、見ておいでよ」

〇〇「曲芸師……ですか?」

街の男性「大人気なんだ。人がたくさんいるし、探してる彼もいるかもしれないよ」

(……せっかくだから、行ってみようかな)

その人にお礼を言って、私は曲芸師を見に行くことにした…-。

……

広場に向かうと、人だかりができていた。

軽快なリズムと共に、明るく元気な声が聞こえてくる。

曲芸師の子ども「次は、蛇達の踊りだよ!」

(蛇……?)

スネーク「俺達の姿、しかと見てろよ! って、ワイルドが言ってる」

(スネークさん!?)

スネークさんが、曲芸師の男の子とともに観客を沸かしていた。

男の子の吹く荒い笛の音に合わせながら、スネークさんの蛇達は器用に踊っている。

スネーク「……」

(どうしてスネークさんがこんなことを……?)

不思議に思いながら曲芸を見ていると、ふとスネークさんと目が合った。

スネーク「……!」

彼は驚いたように目を見開き、さっと視線を逸らす。

うつむいた彼の表情は見えないけれど、その耳はわずかに赤く染まっていた気がした…-。

……

大きな拍手に包まれながら、スネークさん達が披露する曲芸は終わった。

曲芸師の子ども「お兄ちゃん! 今日もありがとう!」

曲芸師の男の子が、満面の笑みでスネークさんにお礼を言っている。

スネーク「もっと笛を練習する必要がありそうだ。 って、オスカーが言ってる」

曲芸師の子ども「うん! ぼく頑張るよ!」

スネークさんは、男の子から私に視線を移し……

スネーク「ってわけだ。 って、ワイルドが言ってる」

(ってわけって……つまり……)

曲芸師の子ども「ぼく、なかなかお客さんを集められなくて。 困っていた時に、お兄ちゃんが手伝ってくれたんだ。そしたら、こんなに人気になったんだよ!」

男の子はスネークさんの手を取って、嬉しそうに説明してくれる。

〇〇「……そうだったんだ」

スネーク「……」

(スネークさん、優しいな)

曲芸師の子ども「あ~あ。お兄ちゃんがずっといてくれたらいいのに。ぼくの一座の仲間も、きっと歓迎してくれるよ」

スネーク「!」

曲芸師の子ども「ねえ! ぼく達のところに入ってよ! 駄目?」

スネーク「……」

まつ毛を伏せてうつむく彼の姿は、どこか寂しげに見えた。

(スネークさん……)

スネークさんは顔を上げ、繋いでいた男の子の手を放す。

スネーク「俺達にはもう、仲間がいるんだ。 って、ワイルドが言ってる。 でも、気持ちは嬉しいわ。 って、エミリーが言ってる」

男の子は残念そうに眉尻を下げたけれど……

曲芸師の子ども「……そっか。わかったよ! でも、お兄ちゃんがいてくれて助かった! いつかお兄ちゃん達の一座を、見に行くからね!」

スネーク「……!」

男の子のその言葉に、スネークさんの目が見開く。

まるで泣き出しそうな表情で、彼は……

スネーク「ああ。絶対見に来いよ。 って、ワイルドが言ってる」

スネークさんと男の子は、固い握手を交わして別れた。

スネーク「仲間……」

去って行く男の子の背中を見つめながら、スネークさんがぽつりとつぶやく。

(きっと、はぐれてしまった皆に会いたいんだろうな……)

思わず彼の手にそっと触れる。

その手は、微かに震えていた。

〇〇「絶対に、元の世界に帰る方法を見つけましょうね」

スネーク「……」

スネークさんは私の瞳を見つめ、深く頷いたのだった…-。

おわり。

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