月7話 不安な要素

―――――

〇〇「カノエさん、どうしたんですか?もしかして何か気になることでも……?」

カノエ「……いや、なんでもない」

――――

結局それ以上は聞けないまま、私達はチームメイトの元へ戻ってきた…―。

カノエ「……俺の異能力は、皆の力を集めて強い攻撃技を繰り出す」

チームメイト達に駒を配った後、皆で各々の異能力を確認し合う。

チームメイト1「すごい!強そうじゃないですか!!」

カノエ「いや……そのかわり、チームメイトは攻撃力が大幅に下がってしまう」

チームメイト2 「あー……となると、使いどころが問題ですね」

チームメイト3「姫様は?」

〇〇「私は一ターンに二回行動することができる能力で、使えるのは一試合一度だけだそうです]

チームメイト1 「おおお!なんだかそれもすごいですね」
   
カノエ「ああ……」

盛り上がる皆とは対照的に、やっぱりカノエさんの表情は冴えない。

(カノエさん……)

気にはなるけれど、無理に聞き出すのもはばかれて……

〇〇「……カノエさん、まずは楽しみましょう」

(上手く言えないけれど、できることなら、今はせめて……)

カノエ「……聞かないんだな」

まるで私の考えを見透かしたように、カノエさんが静かに問いかける。

〇〇「それは…―。 カノエさんのこと、信じてますから。 それにカノエさんが試合を楽しめないと、チームの皆さんだって楽しめないです」

チームメイト2 「そうですよ!力合わせて皆で勝ちましょう!」

カノエ「お前ら……。 ……そうだな。難しく考えすぎていたかもしれない。皆がいれば大丈夫だ」

ようやくカノエさんの表情に柔らかな笑みが浮かんだ。

チームメイト2「それで?そんな難しく考えていたことっていうのは、なんなんですか?」

カノエ「俺の異能力のことだ使いどころが難しいだろ? タイミングを見誤ると、一気に皆を危機に晒すことになる……それが重圧で」

ぽつりと、カノエさんが不安をこぼす。

すると…―。

チームメイト1「なーんだ、そんなことだったんですか!?」

チームメイト2「もー、水くさいですよ」

チームメイト3「ホントホント。それにさっき、カノエ王子自身が言ってたじゃないですか!」

〇〇「……皆がいれば大丈夫、ですよね?」

チームメイト1 「その通りです!」

まるで申し合わせたように、いっせいに野太い返事が返ってきた。

カノエ「お前ら……いい奴らだな」

チームメイト2「今さらですか!」

カノエ「そうだな」

緊張が完全に解けて柔らかな表情になったカノエさんに、私もほっと一安心する。

(よかった。やっぱり以前のカノエさんとは違う……)

それからも作戦を練る間、私達は各々が思うことを腹を割って話し合った。

こうして皆で立てた隙のない作戦で、いよいよ試合を迎えることになった…―。

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