月SS 僕だけのキミ

金色の泡が揺れるグラスを持ち上げて、彼女と乾杯する…-。

ダルファー「じゃあ、メリークリスマス」

スパークリングワインを一口飲んだ〇〇ちゃんが、幸せそうに顔をほころばせた。

〇〇「おいしい……」

彼女につられるように、僕も笑みを浮かべてしまう。

ダルファー「ふふ……よかった」

わかりやすく気持ちを表現してくれるところも、指を絡めるとはにかむ顔も、素直でかわいらしい。

ダルファー「キミと一緒だと楽しくて、あっという間に一日が終わってしまうね」

(女の子といる時はいつだって楽しい。でも、そういうことじゃなくて……)

(キミとの時間はなんだか特別な気がする)

どうして〇〇ちゃんだけはこんなにも違うのだろうと考えていると……

〇〇「でもあまりクリスマスのことを教えられなかった気がします。もし明日でよければ…-」

ダルファー「もうだいたいわかったよ。ある神様の誕生日で、大切な人と過ごす日だよね?」

〇〇「確かにそうですけど……やっぱり、ちゃんと教えたいです。ダルファーの演奏会のためにも」

(演奏会って……)

(ああ、そっか……)

自然と答えが出て、笑みが漏れた。

(キミはいつも一生懸命でまっすぐで……人のためにだって、そんなにも頑張れる)

ダルファー「キミってやっぱり、ちょっと他の女の子と違うよね」

(でも、僕はキミのそういうところが好きなんだろうな)

ダルファー「そんなに頑張らなくて大丈夫だよ。演奏会はやる気になったから」

〇〇「そうなんですか? でもどうして……」

首を傾げる彼女が、なんだかとても愛おしくて……

彼女の手を引き、唇が触れ合いそうな距離でその瞳を覗き込む。

ダルファー「僕のためにこんなに一生懸命になるキミを見てたら、ちゃんとやろうかなって思ったんだ」

(キミが喜んでくれるなら……少しくらい頑張ってみるのもいいかもしれない)

ダルファー「僕は自分のことですらあまり頑張れないから、キミのこと素直に尊敬する……いいなって思うよ。 それに、キミがそんなふうに僕のためにって考えてくれるのが、なんだか嬉しいんだ。 だから他の子みたいに僕から離れてほしくない。キミがいなくなったらって思うと……苦しくなる」

〇〇「ダルファーがそんなふうに思ってくれてたなんて……」

嘘偽りない気持ちを伝えれば、彼女が頬を赤らめる。

ダルファー「僕も驚いてるよ。誰かを独占したいと思ったのなんて、初めてだ」

(さっきだって……)

(暑苦しい男は嫌いだから気をつけてたのに、よりによってキミの前でキレちゃうし……)

(こんなにキミのことを大好きになるなんて、本当に意外だよ)

けれど、自分のそんな変化が今は心地よい。

ダルファー「……キミを僕だけのものにしたい」

(もう……我慢できない)

柔らかな唇に、そっと口づける…-。

想像以上に甘い唇がたまらなくて……

欲しい気持ちのままキスを深めれば、〇〇ちゃんの熱い吐息がこぼれ落ちた。

ダルファー「キミがもっと僕に酔ってくれたらいいのに……なんて、ね」

〇〇「これ以上……酔えないです」

赤い頬の上目遣いは、簡単に僕の体に熱を灯していく。

(……自覚、あるのかな)

ダルファー「嫌だな……僕の方が酔わされそうだ」

(そんなにあっさり酔わされるつもりもないけど、ね)

もう一度キスをして、〇〇ちゃんの顔を覗き込む。

恥ずかしそうに頬を染める姿に満足して……

ダルファー「キミのその顔、すごくかわいいけど……。 もっと違う顔も、見てみたい」

〇〇「……っ」

唇から頬、首筋へとキスを降らせていけば、静かな部屋に彼女の吐息が漏れていく。

どんなメロディーよりも僕の心を掻き立てるその声を聴きながら……

特別な夜が過ぎていくのだった…-。

おわり。

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