月5話 王家の証を手に前に

(まぶしい……)

扉の間から、青白い光が漏れ出している…-。

光に目が慣れると、そこには一輪の花が咲いていた。

(青い……ユリみたい……)

まるで光を放っているように見えるその花の真上から、まばゆい陽の光が注いでいる。

ロルフ「これは…お城の花だ……」

ロルフ君が、花に歩み寄っていった。

〇〇「お城の?」

ロルフ「はい…王家の紋章にもなっている……この国にしか咲かない花です。 どこに咲いているかは、王位継承者にしか知らされないって……」

〇〇「王家の証……王位継承者の証……」

ロルフ君が、慈しむようにそっと花に触れる。

(よかった…これで無事に……)

けれど、ロルフ君はその花から手を離した。

その頬を涙が流れ落ちる。

〇〇「ロルフ君、どうしたの?」

ロルフ「〇〇ちゃん…ボク、できないです……」

〇〇「どうして……?」

ロルフ「この花しか咲いてないのに……摘み取るなんて……」

涙がロルフ君の頬を伝い落ち、青い花弁をそっと揺らした。

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