月6話 不器用なメッセージ

気まずい空気のまま、ハルと船上デッキで別れた後……

客室の戻り、疲れた体をソファに預けた。

(あんなに悲しそうなハルの顔、初めて見た)

諦めたように背を向けたハルを思い出し、胸が痛む。

(ハル、今頃どうしてるのかな……)

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女性1「あの! さっき水上バイクに乗ってた人ですよね?」

ハルディーン「ん? オレ達のことか?」

女性2「やっぱりそうだ! すっごく格好よかったですー!」

ハルディーン「そっか、ありがとな!」

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女の子達と親しげに話していたハルを思い出すと、切なさが込み上げる。

(ハルの笑顔は、私だけのものじゃないってわかってる)

(なのに、どうしてこんなに胸が痛いんだろう……)

その時……

客室のドアがノックされ、乗務員さんの声が聞こえた。

乗務員「○○様、メッセージをお預かりして参りました」

(私にメッセージ?)

受け取ったカードを開くと、甘やかな香りがふわりと広がった。

(この香りは……)

一緒にいる時にいつも感じる紅茶の香りが、私の胸を切なくさせる。

逸る鼓動を意識しながら、カードにつづられた文字へと目を落とすと……

ハルディーン「今夜、プールで待ってる――」

見覚えのある文字で、そう一言書かれてあった…-。

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