ネロと子ども達のことが気がかりなまま、ついに別れる予定の場所にたどり着いた。
○○「じゃあ……」
離れ難く思いながら、ネロに声をかけようとすると…ー。
ネロ「○○……あんたがよければ……」
ネロが言いにくそうに、視線を逸らしながら口を開いた。
ネロ「団員の皆は、あんたがいると嬉しそうだし。 もう少し……俺達と一緒にいないか?」
○○「……!」
ネロの言葉に心が騒ぐ。
○○「一緒にいて……いいの?」
ネロ「だからそう言ってるだろ」
○○「ネロ……」
少し照れているのか、やはり目は合わせないままで……
ネロがそっと控えめに、私の手を握った。
ネロ「嫌か?」
○○「ううん、嬉しいよ」
ネロ「……」
ネロの頰が、赤く染まる。
引き結ばれた唇が、また少しだけ動いて……それから……
ネロ「大人にはならない。けど……。 ……もし大人になったら……もっと、あんたと……」
○○「え……?」
小さな声が聞き取りにくくて聞き返すと……
ネロ「……なんでもない」
ネロは初めて見せる照れた顔で、そう言ったのだった…ー。