木漏れ日の中を、ミヤに手を引かれて足早に城へ向かう。
お互い会話がないのに、それでもどこか温かな空気を感じる。
城が近づいてくると、ミヤは不意に口を開いた。
ミヤ「ありがとね、○○ちゃん」
○○「え?」
振り向こうとすると、握られている手にぎゅっと力が込められた。
ミヤ「オレ、あんなこと人に話したの……初めてなんだ」
(私だけ……?)
驚いてミヤを見つめると、彼は照れたように顔を伏せた。
(……すごく嬉しい)
胸が微かに音を立て、そっと深呼吸をするけれど……
ミヤ「どうかした?」
私を見下ろしているミヤの優しい顔に、胸はますます高鳴っていく。
そのことに気づかれないように、私は木漏れ日の煌めきだけに目を向けていた…-。