月5話 戸惑いの帰り道

茜色の空に、夜の気配がにじみ始めた頃…-。

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〇〇『シュティマさんのことが、好き……だから。 だから、力になりたいって……そう思ったんです』

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私は、シュティマさんと見つめ合ったまま動けずにいた。

けれど、すぐに彼がはっとして姿勢を正す。

シュティマ「えっと、その……。 ありがとう。気持ちは素直に嬉しいよ」

穏やかな声で答えてくれたものの、その瞳は戸惑うように揺れている。

シュティマ「……」

二人の間に、沈黙が訪れてしまう。

その空気を変えたくて、私は口を開いた。

〇〇「すみません、本番前の大切な時に余計なことを言ってしまって……」

気まずさからシュティマさんの瞳を見ることができずにいると……

彼が、否定するように首を横に振った。

シュティマ「いや、そうじゃないんだ。けど……」

そう言ったきり、再び口を閉ざしてしまう。

〇〇「シュティマさん……?」

思わず問いかけると、彼がこちらに顔を向けた。

シュティマ「ああ……すまない。 とりあえず、まずは城に戻ろうか」

シュティマさんが、私の促すように歩き始める。

夕焼け色に染まる街並みを、二人で進んでいった。

(シュティマさん……今、何を考えているんだろう)

冷たさを帯びてきた風に吹かれながら、私は後悔と不安を募らせていた…-。

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