マッドハッター「三日後、最初にお茶会を開いたあの空中庭園に、君一人で来なさい。必ず、一人で」
そして約束の日が明日に迫った夜……
私は、ビルの中に間借りした客室で、まだ思い悩んでいた。
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マッドハッター「私はこの先どうするか、既に答えを出しました。 嬢……君をどうするか……」
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(帽子屋さんは、一体どんな答えを?)
その答えがどうしても気になり、眠ることができない。
私は一人、これまでの帽子屋さんとのやり取りを必死に思い出していた。
(私を、新しいアリスに相応しいか試していたと言っていた)
(答えを出したと言っていたけど……この約束も、もしかすると私を試して?)
(わからない……)
約束の日にはまだ先だったけれど、
私は帽子屋さんの真意が知りたくて、彼の部屋に向かった…―。
……
マッドハッター「……こんな夜更けにどうしましたか?」
彼は少しだけ驚く素振りを見せて、私を部屋に招き入れた。
いつもは何を考えているのかわからないその顔に、
少しだけ喜色めいたものが浮かんでいた…―。