月7話 唐突な提案

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ルルス「未来……エリクシールの精製……。 その理由についても、完成させる前にオレは考えておくべきか……」

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その翌日…ー。

私とルルスは国王様と王妃様に王座の間へ呼び出された。

(いったいなんの話だろう?)

体を強張らせながら、王座に腰かけた国王様達の言葉を待っていると…ー。

王妃「緊張なさらないでください、トロイメアの姫。私達は貴方と親交を結びたいと強く願っているのです」

国王「姫とルルスはたいそう仲が良いようだし、ルルスはこのアルケミア建国以来の天才と評されている。 どうだろうか?息子と婚約を結び、それを機に両国間のこれからの礎を築いてはーー」

〇〇「え?」

ルルス「……は?」

(今、なんて……? 婚約?)

言葉を脳内で繰り返しながら、隣に立つルルスを見る。

ルルス「……」

ルルスは茫然とその場に立ち尽くしていた。

ルルス「オレが……〇〇と? 待ってください。 あの……なぜ、いきなり?」

珍しく彼が動揺した様子で、視線を王座と私の間に彷徨わせる。

王妃「貴方の様子を見ればわかります。研究が行き詰まっているのでしょう?」

ルルス「……!」

王妃「トロイメアの持つ夢の力は秘匿されていると聞きますが……つまりそれだけ強大な力なのでしょう」

国王「そうだ、その力を借りればきっとエリクシール完成への近道になるはずだ」

ルルス「……」

ルルスが、ぐっと拳を握りしめる。

ルルス「つまり……オレだけではエリクシールにたどり着けないと、そうおっしゃりたいのですね?」

〇〇「ルルス……」

ルルス「悪い。お前のこともそうだが……それ以上にオレのプライドに関わることなんだ」

ルルスは私を留めて、王座ににじり寄る。

ルルス「この国の悲願については理解してます……けれどーー。 オレはこれからも人生をかけて、絶対に自分の手でエリクシールを精製してみせます!」

王座の間に声を低く響かせるなり、彼はその場から立ち去ろうとする。

王妃「待ちなさい、ルルス!! エリクシールさえ手に入ればもう精霊の国の力などに頼ることもないのですよ!?」

国王「ルルス! お前のプライドが、国より大事なものだと言うのか!?」

(そんな……!)

ルルスはいくら背中に侮辱の言葉を投げかけられても、一度も国王様達を振り返ることはなかった…ー。

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