月5話 愛しい人へのお返し

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リド『オレも……ちょっとわがまま言っていいか?』

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リドのまっすぐな眼差しに見つめられて、私の胸が大きく音を立てる。

リド「『愛の日』じゃなくてもさ、また二人で遊びに行こうぜ」

(え……)

〇〇「それが……リドの、わがまま?」

リド「? そうだけど……」

彼の思いがけない『わがまま』に、頬が自然と緩んでしまった。

リド「おい、なんで笑ってるんだよ?」

〇〇「ごめんね、だって…-。 そんなの……わがままじゃないよ」

リド「〇〇……」

リドは頬を赤く染めながら、私をじっと見つめていたけれど……

リド「……ははっ。けっこう勇気出して言ったんだけどな」

〇〇「! ごめん…―」

リド「いいよ。むしろ、ありがとな」

リドの手が私の髪に触れ、優しく梳く。

その感覚に、私の胸は満たされた気持ちでいっぱいになった。

(私も何か、お礼がしたいな)

その時ふと、カフェで食べたエクランシュが思い浮かんだ。

〇〇「あ……」

(……そうだ!)

リド「ん? どうかしたか?」

思わず声を上げてしまうと、リドが不思議そうに振り返った。

〇〇「リド、ちょっと用事を思い出したから、先に行っててくれる?」

リド「用事? だったらオレも一緒に…-」

〇〇「いっ、いいよ!」

(リドを、びっくりさせたいから……)

〇〇「すぐに戻るから、お城で待ってて?」

リド「ああ、わかった」

怪訝な顔をしているリドを残して、私はある場所へと急いだ。

(リド、喜んでくれるかな?)

リドへの気持ちが溢れて、走りながら私は自然と笑顔になっていた…-。

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