月6話 未知の実

狐実のことについて興味を示すサキアに、薬師さんは難しい顔をしていて……

薬師「いえ……その実、天孤の国の人間には無害なものではあるのですが。 それ以外の人間が口にするとどうなるのか、まだわかっておらず……」

サキア「どうなるのか……?」

かえって興味を増したのか、サキアは前のめりで薬師さんの言葉を繰り返す。

薬師「はい。天孤の国は、普段は滅多に他の者を招き入れませんので。 とは言っても、この国の者には古くから親しまれている実です。 おそらく、人間にも害のないものだとは思うのですが……」

ふと、サキアが顎に手をあてて考え込む。

サキア「なるほど……人間にとっては、まだ未知の……実……。 どんな成分が入ってるんだろう……」

私は少し不安になりながら、嬉々としたサキアを見守っていた。

(サキア、すごく興味津々みたいだけど……大丈夫、だよね?)

(食べたり……しないかな)

狐実を前に考え込む彼の様子には、熱がこもっているように見えて……

これから起こる出来事を、予感させるようなものだった…-。

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