二つの出演の依頼がジェットさんの元にやってきた、その晩…―。
私はジェットさんの出した答えが気になって、彼の元を訪れた。
ジェット「どうした?寝れないのか?」
○○「そうではないんですが……」
ジェットさんは私を部屋に招き入れると、椅子に腰かけるよう促してくれた。
(聞いても……いいのかな?)
口数少なく、手に持った資料に視線を向けるジェットさんを見つめていると……
ジェット「映画出演のことだろ?」
○○「……!」
心を言い当てられて、ゆっくりと頷く。
すると彼は、制作会社の人が持ってきた資料を机の上に置いた。
ジェット「俺の気持ちはもう決まってる。俺のスタントとしての力を必要としている奴がいるなら、俺はスタントとしての道を極める」
(ジェットさん……!)
○○「でも……危ない仕事ですよね?」
机の上に置かれた資料に目を通して、口を挟む。
その資料には、どうして前任者が大怪我をしたのか、危険なアクションシーンの数々が網羅されていた。
○○「もし万が一のことがあったら……」
ジェット「もちろん危険なんは百も承知で言ってんだよ。けど、そんな事故は起こさせないのが、一流のスタントってもんだろ?心配だとは思うけど、必ず成功させるから、見てろよ?」
○○「はい……」
(ジェットさんの決めた道を、応援したいとは思うけど……)
私の心は不安でいっぱいだった…―。