月5話 強引なキス

私を目掛けて、闇が襲い来る。

(……!)

恐怖に足がすくみ、私はきつく目を閉じてその場にへたり込んでしまう。

フリュス「〇〇ちゃん!」

草の上に倒れるような衝撃の後、思わず目を開けると……

フリュス君が私をかばうように覆い被さっていた。

フリュス「……くっ! あああっ……!!」

闇がフリュス君にまとわりつく。

〇〇「フリュス君!?」

『やはり、お前の弱みはその女か』

あざ笑うような闇の声と共に強い風が吹き、ざわざわと木の葉が揺れる。

目の前で苦しげに表情を歪めるフリュス君に、私は慌てて声をかける。

〇〇「フリュス君! 大丈夫!?」

フリュス「〇〇ちゃ……駄目、だ……早く、逃げ……っ」

『さあ……大切な女を自らの手で壊し、深い闇へ落ちろ』

不快な笑い声が辺りにこだまする。

フリュス「……っ!」

不意にフリュス君の目に暗い光が宿り、私の顔に影が落ちた。

(え……)

次の瞬間……

〇〇「……っ!?」

草の上に押さえつけられ、強引に唇を奪われる。

驚愕する私に構わず、フリュス君の唇が首筋や鎖骨を滑り始める。

〇〇「やっ……!」

抵抗しようとするけれど、両手首を押さえられてびくともしない。

〇〇「フリュス君、どうしたの!? やめて……」

どこか定まらない視線が、私を捉え……

フリュス「ごめん……」

苦しげなつぶやきが、私の胸をひどく締めつけた…-。

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