ダグラス「そうだ、〇〇、一緒に宝探しに出てみるか?」
ダグラスさんのお誘いを受けて、私は宝探しに出ることになった…-。
レストランを出てからしばらく港町を歩いていると、船に到着する。
要塞のような船へと足を踏み入れると、ダグラスさんは船員の皆の前で声を上げた。
ダグラス「皆ちょっと手を止めて聞いてくれ。宝の地図を手に入れた。 この地図にそって行けば、潮の流れで漂着物が集まるウエストオーシャンホールという海溝が現れる。 そこに俺達がずっと探してた宝がある可能性が高い。すぐに準備を整えて出航するぞ!」
その言葉に、船員達が沸き立つ。
(ダグラスさんのお父様の形見が見つかるかもしれない……)
そう思うと、はやる気持ちを抑えきれずにいた。
…
……
船員「出航だ!」
錨がゆっくりと引き上げられ、広い海原へと船が動き出す。
〇〇「わ……」
潮風が頬を撫で、これから始まる冒険に胸を躍らせていると…-。
(あ……)
船の甲板から、ぼんやりと海を眺めているダグラスさんの姿を見つけた。
ダグラス「〇〇」
手招きされ、私は彼の隣に寄り添うように立つ。
(お父様の形見のこと、聞いてみようかな……)
私は、ずっと気にかかっていたことをダグラスさんに尋ねることにした。
〇〇「あの……お父様の形見って、どんなものなんですか?」
ダグラス「……形見が何かは、俺にもわからない。 だから、しょうもないものかもしれないし、びっくりするようなお宝かもしれない。 それは見てからのお楽しみ、ってやつだな」
ダグラスさんはそう言って、笑顔を浮かべる。
〇〇「どんなものでも、お母様にとってはかけがえのない宝物だと思います」
ダグラス「そうだな……」
彼の探し物が見つかりますようにと、コバルトブルーの海に向かって私は祈りを込めた…-。