リカさんの腕の中でそっと顔を上げれば、彼の熱っぽい視線が私を射抜く。
リカ「皆がお前のこと欲しがってるのは知ってるけど」
見つめ合っていた視線が外れたかと思うと、彼の顔が私の耳元へと近づいた。
リカ「今日は、俺が独占するから」
吐息と共に囁かれた言葉に、甘い痺れが走る。
顔に熱が集まるのを感じながら、私は小さく頷いた…-。
…
……
リカさんの案内で、私は日が暮れるまでショコルーテのパビリオンを堪能した。
リカ「楽しめただろ?」
〇〇「はい!」
パビリオンも夜の雰囲気をまとい、昼の賑やかさとはまた違う趣がある。
(もう、夜なんだ……)
リカさんと過ごす時間が終わりに近づいていると実感して、寂しさが募った。
けれど…-。
リカ「おいおい。なんて顔してるんだよ」
〇〇「リカさん?」
驚く私とは対照的に、リカさんは口元に期待に満ちた笑みを浮かべる。
リカ「誰が、ここで終わりって言った? 言っただろ。今夜はお前を帰すつもりないって」
〇〇「……!」
その言葉に、頬が熱を帯びる間もなく……
私の手を少し強引に掴んで、リカさんは足早に歩き出すのだった…-。