屋台が軒を連ね、おいしそうな香りが鼻腔をくすぐる…-。
ミヤが私を連れて来てくれたのは、たくさんの人で賑わう、飲食店が立ち並ぶ島だった。
ミヤ「お祭りみたいで、わくわくするでしょ? 一緒に回れば、楽しさ二倍! ううん、それ以上だって思わない?」
〇〇「そうだね。ミヤと一緒なら、何をしてもきっとすごく楽しい」
無邪気な笑顔につられ、私も笑みをこぼす。
そして、まずどの店にしようかと辺りを見回していると……
ミヤ「……ねえ、〇〇ちゃん。 いつも、本当にありがとう」
(え……?)
気づけばミヤの瞳が、この上なく優しげに細められていた。
〇〇「突然、どうしたの?」
ミヤ「こうやって一緒にいられることが、すごく嬉しくて。 感謝と、これからもよろしくっていう気持ちを込めて、楽しい時間をプレゼントさせてほしいんだ」
〇〇「ミヤ……」
彼が口にした言葉が、心にゆっくり染み渡っていく。
〇〇「……お礼を言うのは、私の方だよ。 私はミヤといるだけで、いつも楽しい気持ちをもらってるんだから。 私こそ……ミヤと出会えていなかったらなんて、考えられない」
ミヤ「……!」
私が素直な想いを告げると、ミヤはなぜか息を呑んだ。
〇〇「……? どうしたの?」
ミヤ「あ……ごめん。なんていうか……。 キミの言葉が、すごく嬉しくてさ。 でも……それじゃあ、またオレばっかり嬉しくなっちゃうなぁって。 今日は、オレがキミに幸せをプレゼントしたいって思ってるのにさ」
少し困ったように笑うミヤの頬は、ほんのりと赤く染まっている。
彼の言葉やその表情を見るだけで、私も幸せな気持ちで満たされるのだった…-。