アヴィ「なあ……俺は、お前にとってどんな存在なんだ?」
真剣な眼差しが、私にまっすぐに注がれている。
(私にとって……)
アヴィ「……教えてくれよ」
〇〇「アヴィ……」
ずっと、彼といることが当たり前になっていた。
改めて問われたことに、必死に正しい言葉を探す。
(アヴィはずっと私と一緒にいてくれて、私を守ってくれて……)
(一緒にいられると嬉しくて)
答えを待つように、アヴィは考え込む私を見つめている。
(だから……今度は、アヴィの笑顔を守りたい)
〇〇「……アヴィのこと、大切だって思ってる。 アヴィには……笑っていてほしいって」
想いをたどりながら、言葉を紡ぐと…-。
アヴィ「……それだけか?」
〇〇「え……?」
そのつぶやきに、私は目を瞬かせる。
けれど言ったことを恥じているのか、アヴィはすぐに私から視線を逸らした。
アヴィ「駄目だな、俺。 お前のことが、好きすぎて……独占したくなる」
もう一度視線が重なったかと思うと……彼は私を引き寄せ、うなだれるように肩に額を乗せた。
(アヴィ……)
アヴィの心を知りたいのに……
傍で揺れる赤い髪が、彼の表情を隠していた…-。