お腹が空いたというアザリーさんと一緒に、席へ戻った後…-。
(やっぱり、ものすごく見られてる……)
ただでさえ目立つというのに、激辛料理を食べるアザリーさんの後ろから、カリムさんが大きなうちわで風を送っていた。
大分免疫がついたとは言え、私も驚きを隠せなかった。
落ち着こうと、目を閉じた時……
アザリー「ところで〇〇、結婚しよう」
〇〇「……えっ!?」
アザリー「結婚式は……うむ、来月にしよう。そろそろ星が綺麗な季節だからな」
〇〇「え?あ、あの……!?」
アザリー「会って間もないが、手や佇まいで人間は大体のことを語る。君が気に入ったんだ」
カリム「アザリー様。そういうことは勝手に決めず、尋ねるのです
アザリー「む? 尋ねるとは?」
カリム「はい。必ずしも互いの気持ちが同じとは限りませんので、まずは確かめ合う必要があるかと」
アザリー「そうか、それは悪かった! えー……ドレスは何色がいい?」
カリム「そういうことはありません、アザリー様」
アザリー「何? では、どういうことだというのだ?」
カリム「ですから、先ほども申し上げました通り……」
〇〇「え、えっと、何ていうか……」
私が困惑している間も、アザリーさん達はああでもないこうでもないと言い合い続け…-。
二人の姿を見ている内に、私は思わず吹き出してしまったのだった…-。