月7話 ぼくの傍にいて

アケディアくんは、ベッドの中から従者さん達に指示を出し続け・・・-。

従者1「アケディア様、ありがとうございました」

無事に決議が取られ、従者さん達の口から安堵のため息がこぼれた。

従者2「ごゆっくり、お休みくださいませ」

従者さん達は深々と頭を下げると、部屋を出て行った。

アケディア「あー、慣れないことしたから疲れちゃった」

アケディアくんは大きなあくびをすると、ベッドの中にもぐりこんでしまう。

(ベッドの上で決議するなんて・・・・・・アケディアくんしかできないだろうな)

○○「お疲れ様、アケディアくん」

ベッドにもぐり込んでいるアケディアくんに声をかけると・・・-。

○○「・・・・・・あっ!」

伸びてきた手に、私は強く抱き寄せられた。

その勢いに驚き、私は小さく声をあげる。

(びっくりした・・・・・・)

アケディア「ねえ、ぼくかっこよかった?」

アケディアくんは、潤んだ瞳で上目遣いに私を見つめる。

(か、かわいい・・・・・・)

胸の奥がぎゅっと締めつけられ、愛おしさが込み上げた。

(いつもはのんびりしている時間に、頑張って働いたんだもんね・・・・・・)

○○「うん、かっこよかった」

アケディア「じゃあ、頭を撫でて」

○○「あっ・・・・・・うん、いいよ・・・・・・」

戸惑いつつ、アケディアくんの髪にそっと触れると・・・・・・

(あれっ・・・・・・熱い?)

アケディアくんの額はとても熱く、頬も微かに上気しているように見える。

○○「アケディアくん、もしかして熱がある?」

アケディア「そう? ああ、でも・・・・・・なんだか体がいつもよりだるい・・・・・・仕事なんか・・・・・・しちゃったからかな」

アケディアくんの頬は、どんどん赤みを増していく。

○○「アケディアくん、冷やすものを持ってくるね」

部屋を出て行こうとすると、アケディアくんは力なく私の服の裾を掴んだ。

アケディア「○○ちゃん、傍にいてくれなきゃ・・・・・・いやだよ・・・・・・」

彼の息遣いが、荒くなっているのがわかる。

○○「でも、このままだと熱が・・・・・・」

アケディア「大丈夫。メイドに・・・・・・持ってこさせる」

アケディアくんが呼び鈴を鳴らすと、すぐにメイドさんがやってきた。

メイド「失礼致します。いかがなさいましたか?」

○○「あの、アケディアくんが熱があるみたいで・・・・・・」

メイド「アケディア様、大丈夫ですか!?今すぐ看病を・・・・・・」

アケディア「看病は・・・・・・○○ちゃんにしてもらいたい。きみ達は・・・・・・用意だけしてくれればいい」

アケディアくんは、私の袖を握りしめて離そうとしない。

メイド「ですが……」

メイドさんは、申し訳なさそうに私の方に視線を移す。

○○「私なら大丈夫です。アケディアくんが治るまで傍にいます」

メイド「申し訳ありません……では、よろしくお願い致します」

メイドさんは、水枕や食事の用意を手早くすると、頭を下げて立ち去っていった。

アケディア「○○ちゃん、ご飯フーフーして食べさせてね」

アケディアくんは、二人きりになるなり熱にかすれた声でそんなことを言う。

○○「うん、いいよ」

アケディア「ぼくが寝てる間も、この部屋にいてくれなきゃ……やだよ」

○○「うん、大丈夫。ずっと傍にいるよ」

約束をすると、アケディアくんは安心したように眠りに落ちた。

汗の浮かんだ額を拭くと、指先をアケディアくんの手に握られる。

(かわいい……)

(早く治るといいな……)

水枕に変えてあげると、アケディアくんは気持ちよさそうに微笑む。

熱を持った彼の頭を撫でながら、私はすぐ傍で見守り続けた…-。

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