不思議の国・ワンダーメア マッドネス・・・・ー。
先日、目覚めさせた王子からお茶会に誘われて、私は彼の営む帽子屋を探していた。
??「目覚めさせてくれてありがとう、お嬢さん。礼をしたいところなのですが・・・・ー。 随分と長い間眠っていたようだ・・・・急いで仕立ての状況を確認しないと。 今度お会いしたその時に、お互いに自己紹介をすることにしましょう」
(このビルかな?)
店の前には帽子屋『メゾン・マッドネス』との看板が出ている。
(すごい、何階くらいまであるんだろう・・・・ビルの天辺が見えない)
・・・
・・・・・・
(綺麗・・・・)
エレベーターの扉が開くと、そこには美しい庭園が広がっていた。
色とりどりのリボンや組紐、そして咲き誇るさまざまな花・・・・
(・・・・どこにいるのかな?)
招待客と思われる人々の談笑の声の中、目的の人物を探していると・・・・
マッドハッター「ようこそ、お嬢さん。この私、マッドハッターのお茶会へ。どうぞ、帽子屋とお呼びください」
○○「帽子屋さん・・・・?」
紫色の薔薇をのせたシルクハットに、それと同じ色のやや丈のあるジャケット・・・・
裏地にある秘めやかな花の模様はネクタイにもあしらわれ、
品のあるピンクのシャツがそれを引き立たせている。
(お洒落な人・・・・)
その優雅で妖艶な雰囲気をどう表現していいかわからず、その言葉しか浮かんでこなかった。
マッドハッター「あの花畑で目覚めて以来、是非もう一度、お会いしたかったのです」
彼は私の前で慇懃な礼を取り、優艷な笑みを浮かべた。
マッドハッター「本日は世界中から茶葉も集めております、どうぞごゆっくり・・・・」
顔を上げると、宝石のような瞳が私を食い入るように見つめていた。
お茶会が始まっても、私はその不思議な視線が気になって仕方がなかった・・・・ー。