第1話 透き通った観察眼

錬金術の国・アルケミア 彩の月…ー。

どこまでも続く草原が緩やかな風に撫でつけられる。

〇〇「!」

その草原の中心で指輪が光り、新たな王子様が眠りから解放された。

〇〇「大丈夫ですか?」

??「……まだ頭に霧がかかったようだが……平気だ。 ……お前は?」

透き通った瞳が、推し量るように私を見つめる。

〇〇「……〇〇です」

ルルス「……ふうん 。 オレは……ルルスだ」

ルルスさんは無表情のまま、私をまじまじと見つめている。

(なんだか……観察されてるような)

何を考えているのかわからない冷たい瞳に、少し居心地を悪くしていた時…ー。

ルルス「……」

〇〇「!」

不意に、彼の長い指先が、私の首に下がるチェーンに通された指輪を取った。

ルルス「……」

息づかいまで聞こえてきそうな距離に心臓が騒ぐ。

彼はじっと小さな指輪を観察して、一度瞬きをすると私の目を見た。

ルルス「オレを目覚めさせたのはこの指輪の力か……? となるとお前はトロイメアの姫で間違いないのか?」

〇〇「……はい」

ルルス「……そうか。やはりトロイメアの……不思議な力だな。 錬金術とはまた別次元の法則で成り立っているとでもいうのか……」

(錬金術……?)

再び指輪に戻された彼の瞳が、思慮深く伏せられる。

(何を考えているんだろう)

〇〇「あの……」

思い切って、声を上げたその時…ー。

ルルス「……興味深いな」

一言つぶやいた彼の口角が、微かに上がる。

(あ、笑った……)

不意に見せたその笑みは、とても穏やかだった。

(近寄りがたい雰囲気を感じていたけど……不思議な人)

ルルスさんは立ち上がり、城の方を一瞥してから私を振り向いた。

ルルス「お前ともっと話をしてみたい。それに助けてもらった恩というのをオレは返すべきなんだろう。 城に来ないか?」

〇〇「城って……?」

ルルス「錬金術の国……アルケミアの城にだ」

ルルスさんの持つ杖の中の不思議な生き物が、嬉しそうに私を見つめていた…ー。

第2話>>


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