第5話 彼らしからぬ仕草

大盛況のうちに紅茶のお披露目会は終わり、私はジョシュアに部屋へと呼ばれた。

(なんだろう……)

先ほどのこともあり、少しだけ不安になりながら部屋に入ると……

ジョシュア「……」

ジョシュアさんはやはり、難しい表情を浮かべていた。

〇〇「あの…-」

ジョシュア「どういうつもりだい?」

〇〇「え?」

冷たい声色に驚いて、声が裏返りそうになる。

ジョシュア「あんなことして……それも他国の姫が。 商談はオレの責務だ。君がやることじゃない」

(そう……だよね)

厳しい言葉が胸に重く響き、私は…-。

〇〇「……」

謝りたいのに、声が喉に張りついて何も言うことができない。

ジョシュア「〇〇……。 君の気持ちは嬉しいんだ。けど……。 ……」

前髪をくしゃりと掴み、ジョシュアさんが表情を歪める。

それは、彼らしくない粗野な仕草だった。

ジョシュア「……ごめん。八つ当たりした」

〇〇「いえ……私こそ、ごめんなさい」

自嘲するような笑みを浮かべ、ジョシュアさんがソファに腰を下ろす。

ジョシュア「こんなオレ……君に見せたくないのに」

組んだ両手を額にあてて、彼はうめくようにつぶやいた。

〇〇「ジョシュアさん…-?」

絞り出すような声に、思わずそっと腕を彼の方へ伸ばすと……

ジョシュア「……っ」

逆に手を取られたかと思えば、強引にソファへと組み敷くように押し倒された。

(え……?)

ジョシュア「……なんでだろう」

彼の瞳が、何かをこらえるように揺れている。

ジョシュア「君が立派に振る舞う姿を見る度、誇らしく思うと同時に……なぜだか苛立ってしまう。 オレは……あれだけ偉そうなことを言っておきながら……。 君にはずっと、オレがいないと駄目でいてほしいんだ。 こんな……こんなことは」

ジョシュアさんの手が私の頬に触れ、そのまま首筋を通り鎖骨をなぞる。

〇〇「……っ」

思わず身を捩るけれど、彼に腕を強く押さえられ抵抗を封じられた。

ジョシュア「礼も立場も何もかも忘れて……君をここで、オレだけのものにしたい」

(ジョシュアさん……?)

私はただ呆然と、燃えるような色をにじませるジョシュアさんの瞳を見つめていた…-。

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