第3話 共に過ごす時間

スノウクリスタルの輝きは人目を惹き、特に女性はその美しさに魅了されているようだった。

女性1「うわあ、すごく綺麗!」

女性2「うん! こんな宝石プレゼントされてみたいなあ。絶対嬉しいよね」

シュニ―君の作った宝石が好評で嬉しくなった私は、彼の方を向いて微笑みかけた。

〇〇「大人気ですね」

シュニ―「当然でしょ」

自信満々にそう言って笑みを浮かべた後、シュニ―君の瞳がまっすぐに私を捉える。

シュニ―「お前も……もらったら嬉しいって思うの?」

シュニ―君から問いかけられて、私は宝石の前で談笑する女性客を見つめた。

〇〇「そうですね……好きな人からもらえたら、すごく嬉しいと思いますよ」

シュニ―「ふーん……」

するとシュニ―君はすっと視線をスノウクリスタルに移し、近くにいた店員さんを呼びつけた。

店員「かしこまりました」

〇〇「……シュニ―君?」

(もしかして……)

優雅な所作で宝石を包もうとする店員さんを見て、私は慌ててシュニ―君に向き直った。

〇〇「あの……! 私、そんなつもりじゃ」

シュニ―「これが欲しいんでしょ?」

〇〇「もちろん、綺麗だと思います。でも……」

シュニ―「え……?」

私の返事が予想外だったのか、シュニ―君は戸惑いの色を瞳に浮かべている。

(どうしよう、言葉を間違えた……?)

〇〇「あの、シュニ―君……」

シュニ―「……じゃあ、お前は何が欲しいんだよ」

シュニ―君がじろりと私を睨みつける…-。

(怒らせちゃったかな……)

〇〇「ごめんなさい、シュニ―君」

シュニ―「……どうして謝るの?」

シュニ―君はうかがうように私を見つめていたけれど、やがてふいとそっぽを向いてしまった。

(気持ちだけで充分嬉しいんだけどな)

〇〇「……何もいりません」

そんな思いを込めながら答えると、シュニ―君は驚いたように私を見た。

シュニ―「え?」

〇〇「今、こうしてシュニ―君と一緒にいられることが、嬉しいですから。 それにこれは……シュニ―君達が頑張って作ったものだから、自分で買いたいです」

ゆっくりと想いを紡いでいくと、シュニ―君の白い頬が見る見るうちに赤く染まって…-。

シュニ―「! ……何それ。変なの」

そう言って唇を尖らせ、さっと背中を向けてしまった。

(あ……)

後ろから見えるシュニ―君の耳はほんのりと赤くて……私はそんな彼を微笑ましく思うのだった…-。

……

店を出ると、空気の冷たさがより一層感じられて、思わず体が震えてしまう。

〇〇「お店の中が暖かかったので、外が寒く感じますね」

白い息を吐きながら、隣にいるシュニ―君に目を向けて……

〇〇「何か買って来ましょうか? 温かい飲み物とか……」

近くに店がないか、探していると…-。

シュニ―「僕はいい。このくらい慣れてる。 それよりも……」

シュニ―君は目を合わせないまま、私の手をそっと握りしめた。

〇〇「!」

シュニ―「さっきのことだけど。 ……僕も嫌いじゃないよ、お前と一緒にいるの」

照れくさそうに目を伏せたシュニ―君とその言葉に、寒さが吹き飛ぶ心地がする。

(嬉しい……)

彼の気持ちに応えたくて、握られた手に力を込めた。

〇〇「ありがとうございます。シュニ―君の手……温かいですね」

シュニ―「……」

彼は何も言わないまま、手を握る力をほんの少し強くする。

繋いだ手から伝わる彼の温もりと優しさが、全身に広がるような感覚を覚えていた…-。

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