第4話 呪いの矛先

妖刀の呪いか、それともただ運が悪かっただけか、ハルが数々のアクシデントに見舞われた後…―。

西日にあてられたのか、私はかすかな眩暈を感じていた。

(なんだか……身体がだるい)

○○「ねえ……ハル……私、少し…―」

ハルディーン「シュガーっ!?」

○○「あ……あれ、ハル……?」

気づけば私は、ハルの大きな体に抱き留められていた。

渦を描く視界に瞬きを繰り返せば、ハルが心配そうな顔で、私の額に手を伸ばす。

ハルディーン「すごい熱だ!おい、大丈夫か!?シュガー!」

○○「ご、ごめん、お医者……様を…―」

そう口にした瞬間、私の意識は、ぷつりと途絶えてしまったのだった…―。


……

意識が暗闇の中をたゆたって、しばらくして目を開くと…―。

○○「あ……れ?ここは……」

ハルディーン「シュガー!目が覚めたのか!?」

目の前に飛び込んできたのは、心配そうに眉を寄せたハルの顔だった。

ハルディーン「ここはアヴァロンの城だ。オマエが倒れて、運び込んでもらった」

彼の隣には、お医者様らしき人の姿も見える。

ハルディーン「おい、オマエ医者なんだろう!?なんとかならないのかよ!」

医者「それがワシもこんな症状は今まで診たことなくての……」

言われてみれば、体はひどい寒気を感じており、呼吸をすることすら苦しい。

ハルディーン「おい、頼むよ!それでもオマエ医者かよ!!」

歯切れの悪い言葉に、ハルがお医者様の肩を揺さぶる。

○○「ハル……私なら大丈夫……だから……」

明らかに冷静さを欠いたハルに、私は弱々しい声で呼びかけた。

ハルディーン「何言ってんだよ、オマエ!自分の顔色がどれだけ悪いのかわかってないだろ!!」

(ハルの方こそ、顔が真っ青だよ……)

沈痛な表情に、胸が痛くなる。

医者「すまんの……ワシの腕がもっと良ければ…―」

言葉を紡ぎ切らないうちに、お医者様の目が、ハルの腰元に釘付けになった。

医者「……!!もしやその剣は、呪いの妖刀『ツインスレイヴ』……」

ハルディーン「は?」

途端にお医者様が難しい顔で唸る。

医者「聞いたことがありますな。昔その剣を持った若者の恋人が、原因不明の病で亡くなってしまったと……」

ハルディーン「なっ……縁起でもないこと言わないでくれよ!! 呪いなんて、そんなワケあるか!」

ハルの表情がさらに曇り、縋るように長い指先が私の手を握る。

(ハル……ひどい顔をしてる)

胸が痛くなって、彼の手を握り返すけれど、力が上手く入らない。

ハルディーン「……っ」

彼はいたわるように、私の手へもう片方の手を重ねたのだった…―。

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