第4話 誰がための夢

真白な光に身を委ね、ホープが夢の狭間を漂う…-。

やがて光が再び収束し、彼が見たものは……

従者「ライト様、どうかご自愛ください」

ライト「……平気だよ」

従者に頼りなげな笑顔を向ける、ライトの姿だった。

(これは……また、失った夢とやらか?)

(いや…-)

知らず胸に宿る懐かしさと、ライトの青白い表情に、これは現実にあったことだと思い知らされる。

(また、無理をしているのか)

ホープの心が切なく軋む。

体調を心配すれば、いつもライトは笑って誤魔化していた。

(お前は、優しすぎるんだ)

ライト「でも、ホープには内緒にしておいてくれる?」

従者「ですが…-」

ライト「ホープの笑顔が、僕の元気の源だから」

ホープ「……!」

ライトの言葉に、ホープが息を呑む。

(何を言っている)

ライト「ホープに、笑っていてほしい」

(それを望んでいたのは……俺だ)

ライト「……両親の最期も、〇〇との別れも、僕は見ていないんだ。 ホープは……どんなに辛かったことだろう。 でも、彼は僕を思って泣かないんだ」

それは、ホープがライトに抱いていた思いと同じだった。

ホープ「……」

(俺が笑えば元気になる、だって?)

(そんな簡単なことじゃないだろう。たとえそうしていたって、いずれは…-)

そう思いながらも、ホープの胸の内に後悔の念が募っていく。

(俺は……あいつの前で、どれくらい笑っていられただろうか)

答えを求めるようにライトを見ると、彼はホープに気づくことなく柔らかに微笑んだ。

ライト「ホープがいるから、僕は光を見続けられる。 前へ歩いて行けるんだ。だから…-」

ホープ「……っ」

名づけることのできない感情が押し寄せ、ホープがライトに思わず手を伸ばそうとした時…-。

どこからか、声が聞こえてきた。

〇〇「お兄ちゃんを助けたい。 わがままだってわかってる。でも…-」

(違う……)

(違う違う違う違う! 俺は、お前達に救われたかったんじゃない!)

(俺が救ってやりたかったんだ! この世界から。夢も希望もない、この世界から!)

ホープ「やめろ……。 こんなものを今さら俺に見せるなっ……!!」

(だって……そうだろう?)

(夢なんて見ないでほしいのに、俺のために夢を見るなんて…-)

ホープ「なんでだ……ライト。 どうしてだ、〇〇…-」

幼いホープ「……」

ホープ「頼む……」

自分に注がれる二人の思いは、今のホープにとってはひどく辛く、苦しいものだった。

ホープ「もう……眠らせてくれ」

幼いホープ「……」

窓から差し込む陽光が、ライトの笑顔を穏やかに照らしている。

それを見ることすらできなくなったホープに、幼いホープは囁きかけた。

幼いホープ「俺達は、思い出さなければならない。 どんなに俺達が愛されていたか。 光は……いつもすぐ傍にあった」

ホープ「……!」

目の前の景色が、再び白い光に包まれていく。

熱を帯びた目頭を押さえ、ホープはその光に身を委ねた…-。

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