第1話 最後の呼び声

それは、現か幻か、それとも夢か…-。

ホープは独りきりで、昏い昏い闇の中を漂っていた。

(俺は…-)

音もない世界の中……霞がかる思考で、ぼんやりとあの時のことをたどる。

―――――

〇〇『しゃべらないで! お願い……置いていかないで……!!』

―――――

(俺は……果てたのか)

当然の報いだと、ホープは口の端を薄く引く。

妙に清々しい気分だった。

(〇〇……)

心残りがあるとすれば、最後に見た〇〇の悲しそうな顔……

ホープ「ごめんね」

(でも、大丈夫だ)

彼女なら、もう大丈夫…-。

幼い頃、優しく輝いていた〇〇の光は、あんなにも強いものとなった。

そう思えば、ホープは幸福感に包まれるのだった。

そして…-。

ホープ「ライト……」

自分の半身である彼の名前を、ホープは愛おしさを込めて声に乗せる。

ホープ「……ライト」

もう一度、ずっと呼びたかったその名前を口にする。

そして、ふっと……叱られた子どものように、悲しげに顔を歪めてみせた。

(ライトは……何を思っているのだろう)

―――――

ライト『ホープ!? どうして…-』

―――――

あの時、何も伝えることなく突き飛ばしたライトのことを思うと、わずかに後悔の念が湧き上がる。

(ごめんと、ひとこと言えばよかっただろうか)

だが、それも束の間……

(……ひどく眠い。もう、俺は…-)

安らかな心地で、先ほどから自分を誘うようにたゆたう闇へ、身も心も委ねようとする。

その時…-。

??「ホープお兄ちゃん」

??「……ホープ」

ふと聞こえてきた愛しい者達の声が、ホープの胸を震わせた。

ホープ「……っ」

目を開けば、深淵の彼方に、わずかな光が明滅している。

最愛の兄妹の気配が、ホープの意識を今ひとたび浮かび上がらせた…-。

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