第2話 大人びた横顔

久々の再会に会話を弾ませつつ、長い廊下を歩いていると…-。

(そういえば、シュニー君の服……今回の式典のために用意したのかな?)

雪の国らしい白と青の凛々しい服装が目に留まる。

前に会った時よりも凛として見える横顔に、思わず見とれていると……

シュニー「何?」

彼の視線が不意に私の方に向けられた。

〇〇「あ……その、シュニー君の服、素敵だなと思って」

内心少し慌てながらそう答えると…―。

シュニー「いいところに気がついたね」

シュニー君は自信に満ちた表情で、軽くジャケットの裾に触れる。

シュニー「いつもはフロ兄が仕立屋を呼んで全部用意するんだけど、これは僕が作らせたんだ。 この公務は僕が任されたからね。ちゃんとやらないと。 まぁ、高潔なる雪の一族として当然なんだけどね」

(シュニー君、気合い充分って感じだな)

(私もちゃんとお手伝いできるといいんだけど)

シュニー「よし、挨拶も終わったし、出かけるよ」

〇〇「え……出かけるって、どこへですか?」

シュニー「そんなの、街に決まってるでしょ? お前ももちろん、ついてくるよね?」

顎を上げてそう言ったシュニー君に私は苦笑しながら頷き返した。

従者を従えたシュニー君に連れられ、ヴィラスティンの街を歩く。

シュニー「花の精の国っていうだけあって、花がいっぱい咲いてるんだな」

(そっか、シュニー君は初めてここに来たんだ……)

見慣れない街の風景を興味深そうに眺めるシュニー君の大きな瞳には、風に優しく揺れる花々が、鮮やかに映し出されている。

(清々しくて、いい香りがして……本当に素敵な街だな)

改めてその美しさに見とれながら、私も辺りを見渡す。

すると、ふと花屋の店先に並んだ白い花が目に留まった。

(あれ? あの花初めて見るかも。なんていう花だろう)

シュニー「……ねえ」

〇〇「……」

シュニー「ちょっと、下僕。聞いてるの?」

〇〇「え……?」

シュニー「もう……お前は僕の下僕なんだから、主人の話はちゃんと聞いてよね」

いつの間にか顔を覗き込んでいたシュニー君が、じっと私の目を見つめる。

〇〇「ご、ごめんなさい……」

素直に謝ると、シュニー君がくすりと笑った。

シュニー「今回は特別に許してあげる」

〇〇「えっと……」

どう返事をすればいいかわからず、思わず言い淀む。

すると、シュニー君は少し呆れたように息を吐いて、花屋の方に視線を移した。

シュニー「まあ、いいや。花が気になるんでしょ? 僕が買ってあげるよ」

〇〇「そんな! 大丈夫です」

シュニー「いいんだよ、僕がそうしたいんだから。 いつも仕えてくれる下僕に、たまにはご褒美をあげないとね」

シュニー君は微かな笑みを浮かべると、花屋に向かって歩き始めた…-。

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