第2話 みやげ、狩る!

まばゆい太陽の光が、生い茂る木々の隙間から輝く…―。

ランダ「天気いい、オレ、嬉しい!」

村へ帰る途中で、ランダさんは森へと立ち寄った。

(早く帰らなくていいのかな?)

気を伝いながら、ランダさんはどんどん奥へと進んでいく。

〇〇「ラ、ランダさん、待って…-」

ランダ「皆にみやげ、捕る!」

(捕るって……?)

一抹の不安がよぎり、その場から動けずにいると……

ランダ「みやげ、いた!」

〇〇「え!?」

ランダさんは、猛スピードで木々の中を疾走していってしまった。

〇〇「待って……!」

すぐに呼び止めたけれど、私の声よりもランダさんの姿が見えなくなる方が早かった…-。

……

辺りを見渡すものの、ランダさんの気配すら感じられない。

(どうしよう、見失っちゃった)

頭上では、鳥の不気味な鳴き声が聞こえてくる…-。

さっきまで穏やかだった森が、急に不気味さをはらんだようだった。

(ちょっと怖い……)

〇〇「ラ、ランダさんっ……!」

心細くなり、ランダさんの名前を叫んでみる。

すると、背後でがさりと音が聞こえた。

(ランダさん!?)

振り返ると……

獣「グルルル……」

〇〇「……っ!」

私の何倍も大きな、猪のような獣が、息荒く私を睨んでいる。

(嘘……!)

頭が真っ白になり、足がすくんで動けない。

獣「ガアアアア!」

鋭い牙が、私に向けられる……

(ランダさん……!)

あまりの怖さに、声が出せない。

目をつぶり、心の中で何度も彼の名前を呼ぶ。

すると……

ランダ「〇〇!!」

頭上から彼の声が聞こえてきた。

(えっ……)

遠くの方から木を伝ってきたランダさんが、どすんと目の前に降ってくる。

〇〇「ランダさん!?」

そして猛然と獣へ突進し、その首筋に肘打ちを何発も炸裂させる。

(……すごい!)

獣「ギャゥッ……」

獣は弱々しい声を上げて、その場を去っていった…-。

ランダ「〇〇! 怪我、ないか!?」

〇〇「大丈夫です、怪我はしていません」

ランダ「よかった……」

ほっと息を吐き出した後、ランダさんはしゅんとうなだれてしまう。

〇〇「ランダさん?」

ランダ「……怖かったか?」

私は…―。

〇〇「大丈夫です。怖くなかったですよ」

ランダ「がまん、よくない」

ランダさんの大きな手のひらが、私の頭をあやすように撫でる。

ランダ「ごめん……オレ、はぐれた。 みやげ、捕る。格好いい、言われたかった。失敗した……」

その姿は、先ほどの溌刺とした様子からは想像がつかないもので…-。

(……ランダさん、すごく落ち込んでる?)

〇〇「あの……気にしないでください! それより、助けてくれてありがとうございます」

ランダさんが、はっと目を見開く。

ランダ「……怒らない?」

〇〇「どうしてですか? それより、皆のお土産は…-」

ランダ「今逃げてった、アイツがみやげ」

(あの大きな獣が……!?)

ランダ「途中で見失った。オレ、格好悪い……」

〇〇「なら、追いかけないと…-」

獣が逃げた方へ視線を向けると……

(えっ……)

ランダ「いい。オマエの方が、大切」

ランダさんの逞しい腕が、私をしっかりと包み込む。

(ランダさん……)

ランダ「無事で、よかった」

見つめられたその瞳から、私は目を離せなかった…-。

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