第1話 アンキュラへの帰還

海賊の国・アンキュラ 星の月…-。

日の光を浴びて、穏やかな海面がきらきらと輝いている。

ダグラス「ああ、帰って来たって感じがするな」

隣を歩くダグラスさんが、胸一杯に空気を吸い込む。

〇〇「そうですね」

ダグラスさんに倣い深呼吸すると、独特な潮の香りがどこか懐かしく胸を満たす。

こよみの国でダグラスさんと再会した私は、公務を終えた彼に誘われ、アンキュラを訪れていた。

ダグラス「〇〇」

ダグラスさんは口元に笑みを湛え、腕を差し出してきた。

〇〇「!」

思わずその腕を見つめてしまうと……

ダグラス「ははっ、照れることないだろう」

ダグラスさんは私の手を取り、自分の腕に絡めた。

自然なエスコートに、頬が熱を持つ。

〇〇「は、はい……」

照れながらも、ダグラスさんに寄り添うように港を歩き出した時…-。

男性「ダグラス様、公務からお戻りですか?」

通りかかった男性に、にこやかに声をかけられる。

ダグラス「ああ、今帰った。新年を迎える準備は進んでいるかい?」

男性「ええ、今年も皆、張り切ってますよ! では、失礼します」

ダグラス「ああ。良いお年を」

男性は会釈をし、街の方へと消えていく。

〇〇「新年を迎える準備って、どんなことをするんですか?」

ダグラス「アンキュラもご多分に漏れず、盛大に宴を開いて新年の訪れを祝うんだ。 と言っても、俺の船の連中が飲んで騒いでいるのは、いつものことだけどね」

ダグラスさんが口の片側を上げて笑う。

〇〇「海賊の国らしいですね」

ダグラス「俺も含めて、お祭り騒ぎが好きな連中ばかりだからな。 さあ、行こう。船も見えてきた」

ダグラスさんの視線の先には……

要塞のようにそびえる立派な船、セント・ガブリエル号が堂々とした様子で停泊していた…-。

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