舞踏の国・アイム、白の月…-。
星々の光が、夜空をいっぱいに輝かせている。
グウィードさんを目覚めさせた日の夜、旅の疲れもあり、私は宿に泊まることにした。
(グウィードさん、無事にお城に帰ったかな……)
ベッドで目を覚まし、ふと思い出す。
―――――
グウィード『可愛い子猫ちゃんだ。君が僕を目覚めさせてくれたのかい? 生憎だが、僕はすぐに行かなくちゃならないんだ。 子猫ちゃんへのお礼は、また今度させてもらうよ♪ じゃあね』
―――――
(結局、全然話せなかった……)
目を閉じて、彼の姿を思い出す。
(仮面をつけていたけど、どんな素顔なんだろう……)
グウィードさんのことを考えながら、ぼんやりと天井を見上げた。
(不思議な雰囲気だった……また、会えたらいいな)
その時……
トントントン…-。
(あれ……?)
ベランダの窓を叩く音が聞こえた。
(何だろう?)
(ここは二階なのに……)
起き上がり、恐る恐るカーテンから外を覗いてみるけれど、そこには夜空が広がるだけだった。
(気のせいかな……)
ほっと息を吐いて、私はベランダの外へと出た。
冷たく澄んだ空気に、鼻がつんとする。
真夜中の街は、人の姿もなく、物音一つ聞こえない。
けれど……
〇〇「っ……!」
突然、後ろから誰かが私を引き寄せた。
グウィード「Ciao、子猫ちゃん。迎えに来たよ♪」
〇〇「グウィード……さん!?」
グウィード「さ、一緒に星を捕まえに行こうか♠」
〇〇「え……?」
聞き返す間もなく、グウィードさんが私を抱き上げる。
そして……
〇〇「っ……!」
そのまま彼は、夜空へと飛び出した…-。