第6話 絡ませあう指

森の小鳥達がさえずる中…―。

物言いたげに、ゲイリーさんがじっと私の顔を見つめている。

私達の間に挟まれた熊は、ゲイリーさんに顔を擦り寄せていた。

ゲイリー「……手を握っても、いいか?」

○○「はい……」

小さく頷くと、重ね合った手が、ゆっくりと絡んでいく。

しっかりと互いの指を絡ませ合うと、トクントクンと鼓動が速まり始めるのを感じた。

ゲイリー「○○、呪いのことだが……。 このまま本当に、俺の傍にいてもいいのか? おまえを傷つけてしまうかもしれないんだぞ」

○○「私……ゲイリーさんの力になりたいんです」

決意を込めて、私は言った。

○○「ゲイリーさんが、この国の誰よりも国や国民を愛してるって……私には感じられるから」

ゲイリー「○○……。 ……そんなことを言うのは、おまえが初めてだ……」

ゲイリーさんが、困ったような顔で微笑む。

その顔は、とても優しい表情に感じられた。

ゲイリー「不思議だな……おまえといると。呪いの恐怖や不安が、焦りが、和らいでいく……。 いつ呪いに飲み込まれて、襲いかかるかわからない。だから、いつも不安だった。 だが、おまえと一緒なら呪いに負けはしない……そう、信じたい」

○○「……はい!」

それから、照れ隠しのように頬を赤くしながら、苦笑いをする。

ゲイリー「……本当は、嬉しいんだ。ありがとう、傍にいてくれて」

絡め合った手とは反対の手がそっと伸びてきて、私の頬に触れる。

触れられた頬が熱くなって、一気に心臓が騒がしくなった。

ゲイリー「まだ手がかりは何もない、見つかったとしても何が起こるかわからないが……。 おまえは、俺が必ず守る。 そして国の未来を切り開きたい。この状況を、一刻も早く終わらせたいんだ」

不意に、ゲイリーさんの顔が近づいてくる。

そっと、瞳を閉じた。

ゲイリー「○○……」

ゲイリーさんの、熱い吐息が頬にかかった、その時…―。

~月~

私の頬を包む彼の手に、そっと自身の手を重ねた。

部下2「ゲイリー様! ゲイリー様! 大変でございます!!」

その声に、森の鳥達がいっせいに飛び立っていった…―。

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