第4話 あなたに触れたい

モルタさんの中に生まれている変化に、私は思いを巡らせる…-。

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モルタ『けれど、その何かは私を……いえ、私達を壊してしまうかもしれない。  だから……できるようになりたいですが、できなくていいとも思っています』

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彼が口にした、矛盾という言葉……

その言葉をどう受け取るべきか、私も自分の心を探っていた。

モルタ「すみません。やはり私はおかしいですよね」

モルタさんは眉を下げ、困ったような笑みを浮かべる。

〇〇「そんなこと……」

モルタ「……あなたは優しいですね」

少しでもモルタさんの心に寄り添いたい……そう願いながら言葉を紡ぐ。

〇〇「たとえおかしくても、いいと思います。 迷っていても……矛盾していてもいいと思います」

(きっと……明確な答えが出るような、そんな単純なことじゃない)

胸の中にある素直な気持ちを、一つずつモルタさんに伝える。

モルタ「……私は…-」

〇〇「それでも……今モルタさんが苦しいなら、その苦しみを取り除きたいです」

モルタ「〇〇さん……」

胸の前でぎゅっと拳を握りしめ、モルタさんをまっすぐに見つめる。

仮面の奥で、彼がどんな心を抱えているのか知りたかった。

〇〇「モルタさんは……子どもでいる夢を見続けていると、以前言っていました。 チルコの子ども達のために、先へ進むことを望まなかったんだってわかっています。だけど……」

私は少しためらった後、彼に再び言葉をかける。

〇〇「今、苦しいなら……先のことを一緒に考えさせてくれませんか? 私にももっと、モルタさんの抱えるものを背負わせてほしいんです。 それが痛みを伴うものであっても……」

モルタ「! いけません、そんなことは…-」

私はモルタさんの顔に手を伸ばして、その表情を隠す仮面に触れた。

モルタ「……!」

彼の左目が、驚いたように見開かれる。

〇〇「……駄目でしょうか?」

モルタ「駄目……なんて…-」

モルタさんは小さく息を吐いて、仮面に伸ばした私の手をそっと握る。

モルタ「あなたの心は本当に美しい……私にはまぶしすぎるほどに。 その優しさに、時折すべてを委ねてしまいたくなります。 そしてそのまま眠りに就ければ……どれほど幸福か」

〇〇「……っ」

モルタ「あなたにこそ……私は二度と目覚めない、終わらない夢を見たくなる」

薄い笑みを浮かべるけれど、すぐにその表情は苦悩に歪んでいって…-。

モルタ「そんな自分勝手なことは……許されないというのに」

モルタさんの声が苦しみを伴って響く。

(私は彼に、残酷なことをしているのかな……)

(それでも……)

練習中の、どこか虚ろな彼の様子を思い出す。

(あのままだと……モルタさんは…-)

彼がほの暗い『心の死』に飲み込まれそうな気がして、私は焦燥の念に駆られていた。

モルタ「私の心は…-」

鬼気迫るほどの様子から、彼が今自分の心と必死に向き合っていることがわかる。

私は息を呑んで、彼の次の言葉を待った…-。

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