第2話 海中散歩

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コライユ『〇〇さん、お顔真っ赤でかわいい!』

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コライユくんに無邪気な笑顔を向けられ、思わず黙り込んでしまったけれど…-。

頭にふと疑問がよぎって、おもむろに口を開いた。

〇〇「そう言えば……この海が、コライユ君の国のものなの?」

コライユ「うーん……ちょっと違うかな? 僕の国は、この海の中なんだ」

〇〇「海の中?」

そう言われて、私は目の前に広がる青く透き通る海を見渡した。

(この中に国があるってことは……もぐって入るってこと?)

(私はどうしたらいいんだろう? きっと息も続かないだろうし……)

不安な気持ちでコライユくんの顔を見る。

すると、目が合った瞬間、突然腕を強く引かれた。

コライユ「〇〇さん」

〇〇「……!」

一瞬でコライユくんの顔がすぐ傍に迫って、鼻先同士がすっとこすれる。

〇〇「こ、コライユくん。ちょっと待って!」

触れ合いそうになる唇を、どうにか離した。

(なんで急にこんなこと!?)

小さく跳ねる心臓を押さえながら、コライユくんを見つめると……

コライユ「あれ、キスしちゃ駄目だった?」

いたずらっぽい笑顔で、私のそう問いかけてきた。

(だから、その笑顔はずるいよ……)

そんなことを考えつつも、何も言えないでいると……コライユくんは黙って私の手を取った。

コライユ「じゃあ手を繋いで行こうか」

〇〇「えっ!?」

コライユ「大丈夫だから、ね?」

そう言って、ぐいぐいと私を引っ張ってコライユくんは海の中へ足を進めていく。

〇〇「ちょっと待って、私、息できないから!」

それでもだんだんと海面が近づいてきて……

私は意を決して、大きく息を吸い込んだ。

(……どうしよう、これじゃ絶対に息が持たない……!)

水中で、訴えるようにコライユくんの瞳を見つめる。

コライユ「ゆっくり呼吸をしてごらんよ」

そう言われても、どうすればいいのかわからなくて、私はそっと首を横に振った。

(怖い……)

すると、コライユくんは眉尻を下げて、少し悲しそうに口を開く。

コライユ「このままじゃ本当に苦しくなっちゃうよ。 お願い、息を吸ってみて」

コライユくんの真剣な言葉に、私は恐る恐る口を開く。

(……あれ、全然苦しくない)

(息が……できる!!)

驚いて、はっとコライユくんの顔を見る。

すると、コライユくんも私ににっこりと微笑んでくれた。

コライユ「僕と手を繋いでいるからね。 おしゃべりだってできるんだよ!」

(嘘……)

それを聞いて、私はそっと声を出してみる。

〇〇「あ……本当だ」

コライユ「ね? 僕、嘘吐かないでしょ?」

コライユくんはそう言って、満足げな表情を浮かべたのだった…-。

……

しばらく海中散歩を楽しむと、だんだんと城が近づいてくるのが見えた。

コライユ「あれが、コラリアのお城だよ!」

コライユくんは私の手をぐいと引き、さらに速く足を動かして城を目指そうとする。

城の近くでは、魚達が美しい珊瑚の回りを楽しそうに泳いでいた…-。

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