
月最終話 君に捧ぐ桜
襖の隙間から、室内の明かりが漏れている。 私は薄暗い廊下に立ち尽くしたまま、襖を開くことをためらっていた。 (楓さん……) 襖からわず...
アプリゲーム【夢王国と眠れる100人の王子様】のストーリーネタバレ&攻略情報など
襖の隙間から、室内の明かりが漏れている。 私は薄暗い廊下に立ち尽くしたまま、襖を開くことをためらっていた。 (楓さん……) 襖からわず...
――――― 楓『でもよかった。じゃあまだここにいるってことか』 〇〇『え……?』 ――――― 楓さんが、いたずらっぽい笑顔で私を...
楓さんと山に行った、数日後…-。 見上げている天井が揺れているように見える。 (熱のせいかな……) 山から戻るなり熱を出して寝込んでし...
〇〇が蓬莱から帰る、その前日…-。 (やっぱり咲いてなかったか) (つぼみをつけていたから、もしかすると……って思ったけど) 再び山に...
街から戻った後、私は楓さんと一緒に城の一角にある小さな建物へとやって来た。 (ここは……?) 床には作りかけの彫刻が置かれ、棚には表情豊...
楓さんの姿が、廊下の向こうへと消えて行った後…-。 〇〇「楓さん……」 ――――― 楓『明日までに咲かないだろう。残念だったね』 ...
廊下から見える中庭には、春の訪れを知らせる鳥が優雅に飛び回っている。 穏やかなそよ風が、私の頬を撫でていった。 (綺麗な風景……) け...
木々の隙間から、大きな夕日がにじんでいる。 山の麓に着いた頃には、すっかり日は傾き始めていた。 〇〇「着きましたね」 楓「ああ」 楓...
画材屋を出た私達は、山に向かって歩き出した。 道行く人々はみな、冷たい風から身を守るように背を丸めている。 〇〇「寒くなってきましたね」...
昼食時を迎え、街にはいい匂いが漂い始めている。 楓「街の桜はまだ咲いていないけど、山の方なら桜が咲いているかもしれない。 この辺りでは、山...