第2話 和らげる微笑み

クラウンさんからの、思いもよらないお誘い…―。

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クラウン『そのパーティで、私は道化師としてショーを行うんだ。 そこで、ぜひ〇〇とペアで演目を披露したくてね! 一緒に出演してくれないかい?』

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(私がクラウンさんと一緒にショーに出るなんて……)

クラウンさんのお誘いは、私にとって未知の世界で想像もつかない。

クラウン「一緒に出演してくれるかい?」

〇〇「あの……私も道化をやるのでしょうか?」

クラウン「いいや、違う。道化は私一人。任せてくれ」

クラウンさんは、楽しげにくるりと回り、頭を下げる。

そのかわいらしい雰囲気の道化の仕草に、少しだけ気持ちが緩んだ。

クラウン「道化に添えられる〇〇の笑顔が、晴れの舞台にはきっとふさわしい!」

〇〇「晴れの舞台……?」

クラウン「ああ、泡沫の国・アフロスで行われる婚宴の儀は、運命の人を見つけ、良縁や子孫繁栄を願うもの。 だから、ペアの演目がぴったりだと思わないかい?」

〇〇「なるほど……でも、ショーなんて出たことがないですし。 演目を披露するなんて、私には…-」

(もしも私が、クラウンさんの足を引っ張ってしまえば、せっかくのショーが台無しに……)

クラウン「大丈夫、私がリードするから、安心して。〇〇はそのままでいいんだ。 ね?」

穏やかに微笑むクラウンさんを見ていると、不安が少しずつ和らいでいく。

(不思議な人……)

〇〇「そう言われると……なんだかできるような気がしてきました」

クラウン「そう、その意気だ! 自信を持って」

クラウンさんはそう言って、大きく頷いた。

クラウン「〇〇とショーに出られるなんて、今から胸が躍るよ」

目をきらきら輝かせるクラウンさんを見ていたら、もう断ることなんてできない。

〇〇「……頑張ります!」

その言葉に、こぼれるような笑顔がクラウンさんの顔いっぱいに広がっていく。

クラウン「頑張ろう。きっと素晴らしいものになるよ」

迷いのない瞳で見つめられて、私は大きく頷いた。

クラウン「さっそくだけど、これが台本。明日、衣装合わせをしよう。 貴女に似合う、とっておきの衣装をね!」

こうして私は、婚宴の儀でクラウンさんと演目を披露することとなったのだった…-。

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