第1話 掴まれた手

アフロスで行われる婚宴の儀には、各国から王族が集まり、連日儀式が執り行われている。

私は人の波に流されそうになりながら、街を歩いていた。

??「あの……あ……」

(すごい人、でもみんな楽しそうだなぁ)

賑やかな街に目を奪われながら歩いていると、不意に手を掴まれドキリとする。

〇〇「……!」

フリュー「…………」

〇〇「フリューさん!」

振り向くと、頬を染めたフリューさんが立っていた。

フリュー「……こんにちは。突然手をとって……すみません」

〇〇「こんにちは、フリューさんいらしてたんですね」

フリュー「はい……ヴォックスからは代表として、僕が……」

(……?)

フリュー「僕、こういうの苦手なんですけど、代表だということで頑張らなきゃと思って……」

騒がしい街の中で、フリューさんの声はかき消されてしまい、所々聞き取ることができず、私は耳を澄ませた。

フリューさんは私の様子に気がついたようで、ある方向をそっと指で示した。

〇〇「ああ、中庭の方が静かですよね。あちらでゆっくりと話しましょうか」

フリュー「うん……」

フリューさんの言いたいことを察して、私達は静かな中庭へと向かう。

フリューさんが放つ穏やかな雰囲気は、自然と私の心を癒してくれるのだった…-。

第2話>>



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