第2話 リカの目的地

リカさんに連れられ最初にやってきたのは……

映画の国のパビリオンなどが集まる、遊園地のような島だった。

〇〇「わあ……!」

娯楽施設が多く集まるこの島は、楽しそうに歩く人々で賑わっている。

行き交う人達の笑顔を見て、つられるように笑みがこぼれた。

リカ「おい、まだ何も始まってないのに満足してんなよ」

不意にリカさんに顔を覗き込まれ、私ははっと目を瞬かせる。

〇〇「すみません。でも、皆がとても楽しそうで」

リカ「うん、だからそれはわかってる。お前が嬉しそうでよかったって思ってるよ」

何気なく紡がれた言葉が、胸の奥を甘くくすぐる。

(わかってくれてるんだ……)

リカ「でもせっかく来たんだから、見てるだけじゃなくて、俺達も楽しもうぜ」

〇〇「はい!」

リカ「それじゃあ、行くか」

いろいろな施設に目移りしながら歩いていると、彼が時折こちらに視線を落とすのに気づいた。

(あれ、もしかして……)

リカさんの顔を見上げると、彼はそれに気づいて私を見つめる。

リカ「どうした?」

〇〇「いえ……」

(歩調、合わせてくれてるんだ)

リカさんは私のわずかに前を歩いてくれている。

手を繋いではいないけれど、私が歩きやすいように気遣ってくれているように感じた。

(なんだか……今日のリカさん、優しい気がする)

すると、その考えを肯定するかのように……

リカ「何する? 映画見る? それとも遊園地?」

〇〇「えっ?」

リカ「え、じゃなくて。何がしたいかって聞いてんだけど」

不意に聞かれたことに驚きながらも、私は……

〇〇「そうですね……」

リカ「何? どこに行きたいの?」

(どこが一番いいかな)

あれこれと思いを巡らせる私を見て、彼は楽しげに目を細める。

(どうしよう……そんなふうに見られると)

焦ってしまって、考えがまとまらなかった。

〇〇「でも……」

私をからかうような仕草に、あることを予感した。

〇〇「リカさん、行きたいところはもう決めてるんですよね?」

リカ「なんだ、バレてるのか」

リカさんはそう言うと、特に取り繕う様子もなく、私の指先を軽くとった。

リカ「じゃあ、こっち」

どこに行くかは説明してくれない。

けれど、口元に浮かべられた笑みからは、確かな自信や期待が浮かんで見えて……

(どこに連れて行ってくれるのかな)

リカ「期待してていいぞ」

私の気持ちが伝わったのか、リカさんが嬉しそうに笑ってくれた。

リカ「絶対、お前も気に入るから。 ほら、行こうぜ」

〇〇「……はい!」

改めて返事をすると、リカさんは私の手を引いて歩き出す。

(リカさんと一緒にいると、どこにいてもわくわくする……)

頼りがいのある大きな背中を見つめると、温かな気持ちが胸に溢れていくのを感じていた…-。

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