第1話 青空に抱かれて

ワールドサロン会場、上空…-。

爽やかな風を切って、飛行船が澄み渡る空を進んでいく。

〇〇「わぁ……見てアヴィ。あそこの島、海があるよ!」

眼下に望む島々は、まるで宝石をちりばめたかのように色鮮やかで……

思わず手すりから身を乗り出して、景色を目に焼きつける。

けれど…-。

アヴィ「はしゃぐのもいいけど、落っこちたりすんなよ?」

逞しい手に腕を引かれ、私は飛行船の中へと引き戻された。

〇〇「……! 大丈夫だよ、子どもじゃないんだから」

アヴィ「そうかぁ?」

からかい混じりに私を見下ろすアヴィに、頬がじわりと熱を帯びた。

アヴィ「ま……こんなのに乗れて、俺もちょっと浮かれているけど」

〇〇「アヴィも?」

アヴィ「ああ。だって空を飛んでるんだぞ?」

いつになく無邪気なアヴィの顔を見ていると、なんだか嬉しくなってしまう。

弾む胸を、ひそかに押さえていると……

アヴィ「それに……お前もいるしな」

〇〇「え……?」

風に吹かれ、アヴィの燃えるような赤い髪がふわりと揺れた。

(綺麗……)

空の青とそれに映える赤のコントラストが美しくて、私はつい見入ってしまう。

アヴィ「お前、今日は一日空いてるんだったよな?」

〇〇「あ……うん。皆へのご挨拶は昨日済ませたから」

アヴィ「なら……。 俺と一緒に過ごさねえか? ……二人でさ」

(二人で……)

その響きに、胸が甘い音を立てる。

私の答えを待っている間、アヴィは照れ隠しのように頭を掻いた。

(アヴィが誘ってくれるなんて……)

〇〇「うん……もちろん!」

アヴィ「そうか。じゃあ決まりだな」

アヴィは笑みを浮かべた後、私の頭にぽんと手を乗せる。

見慣れた笑顔と彼の手の心地よい重みが、胸を温かさで満たしていった…-。

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