第2話 危険が隣り合う国

広大な大地に、爽やかな風が吹いている…ー。

アマノさんに連れられ、巨大な城壁を越えてアカグラの街を訪れた。

アマノ「これが、アカグラの城下町です」

(すごく賑やか)

城壁の内側は、外とはまるで別世界のように人々の活気に満ちていた。

たくさんの店がバザールのように並ぶ中を、行商人達の威勢のいい声が飛び交わっている。

アマノ「どうかしましたか?」

○○「さっきまで見てきた風景とは、まるで違っているので……」

アマノ「城壁の外は、雄大な自然がそのままに残されているんです」

改めて見渡すと、アマノさんと同じような格好をした人達が目についた。

○○「皆さん、弓筒を持っていらっしゃるんですね」

アマノ「ええ、僕達は…ー」

その時だった。

アカグラの民1「おお!アマノ様がお戻りになられたぞ!!」

アカグラの民2「アマノ様!?なんと喜ばしい!心配しておりました!!」

アマノさんは、彼の姿を見つけた人々にあっという間に囲まれてしまった。

それでも、アマノさんの表情は微笑を湛えたまま、変わることはなくて……

(すごく慕われているみたいだけど……)

悠然とたたずむアマノさんを、ちらりと見やる。

すると…ー。

アマノ「ご心配をおかけしました。ですがこうして帰還したからにはもう大丈夫です。 ありがとうございます、本当に」

人々の歓迎を受けたアマノさんが、深々と頭を下げた。

アカグラの民2「そ、そんな!頭を下げるなんてやめてください!」

アマノ「しかし、君も先ほど言った通り、僕は皆に心配をかけました。謝罪しなければ……」

アカグラの民2「い、いえ!そんな」

アカグラの民3「まったく、慎み深いお方だよ」

次々と人々が押しかけ、彼の無事を喜んではその場を離れていく。

(アマノさんって……すごく真面目な方なんだ)

少しだけ彼のことがわかったような気がした、その時…ー。

○○「!?」

街の中に物々しい鐘の音が鳴り響き、人々の表情が一瞬にして硬くなる。

兵士の声「防衛ライン上にモンスターの姿を確認!警備隊は直ちに出撃せよ!」

○○「モンスター!?」

聞き慣れない言葉に恐怖を感じ、自分の手を強く握りしめる。

アマノ「大丈夫です、どうかご安心を」

○○「え……?」

澄んだ声に振り向くと、アマノさんの柔らかな笑みが私に向けられていた。

アマノ「大丈夫です……」

固く握りしめていた私の手を、彼の手のひらがそっと包み込む。

不安に駆られていた心が、少しずつ冷静さを取り戻していった。

アマノ「城壁に駐屯する警備隊がすぐに対処します。不安を感じる必要は何一つありません」

○○「でも……モンスターなんて!」

アマノ「こういった事態には慣れています。どうか落ち着いてください」

○○「慣れて……?」

アマノ「ええ」

その後……警戒態勢が解かれるまで、アマノさんは私の手を握り続けていてくれた…ー。

……

落ち着きを取り戻した街の人々は、すぐにまた日々の生活へと戻っていった。

(のどかさと危険が一緒にあるなんて、変わった国……)

アマノ「……この国が奇妙に見えますか?」

○○「え? いえ……そんなことは」

アマノさんが、ほっと小さく息を吐く。

アマノ「そうですか……そう言っていただけると安心します。 元々このモンスティート大陸は、巨大生物が支配していた国ですから」

○○「巨大生物……モンスターですか?」

アマノ「ええ。けれども僕達はこの地を守らなければならない」

アマノさんの視線が、手に携えた光沢のある美しい弓に向けられる。

アマノ「アカグラでは弓の製作技術が高く評価されています」

(だから街の人達の中にも弓を持った人が多かったんだ)

アマノ「けれど、僕は…ー」

○○「?アマノさん?」

何かを言いかけたけれど、アマノさんがその言葉の続きを継ぐことはなかった。

アマノ「城へ案内します。さあ、行きましょう」

そっと、彼の手が私の背に添えられる。

柔らかな笑みを湛えるその顔から、アマノさんの真意をうかがうことはできなかった…ー。

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