毒薬の国・モルファーン 蒼の月・・・-。
少しひんやりとした空気が、肌に心地良い午後・・・・・・
私はサキアに外出に誘われて、待ち合わせ場所で彼を待っていた。
(サキアがお出かけに誘ってくれるなんて・・・・・・珍しいな)
(どこへ行くかは教えてくれなかったけど、すごく楽しみ)
そう思いながら、空を見上げる。
薄い灰色の雲が太陽を覆い、今にも雨が降り出しそうだった。
(サキアが行きたい場所に、天気は関係ないのかな?)
??「○○・・・・・・」
空模様を眺めていると、不意に名前を呼ばれた。
サキア「遅くなってごめん・・・・・・」
視線を空から戻すと、少し小走りに駆け寄ってくるサキアの姿があった。
○○「ううん、気にしないで」
サキア「じゃあ行こうかー・・・・・・」
待ち合わせ場所に着いて早々、サキアは目的地に向かおうと足を踏み出す。
○○「あ、うん」
(どこに行くんだろう?)
私の疑問を察したのか、彼はくるりと顔を私に向ける。
サキア「あ・・・・・・、まだ目的地言ってなかったねー・・・・・・。 ・・・・・・大きな植物園ができて、行ってみたくて・・・・・・」
サキアの口角が上がる。
○○「植物園?」
サキア「うん・・・・・・」
するとサキアが、心配そうに私の顔を覗き込んだ。
サキア「・・・・・・興味・・・・・・なかったり?」
○○「そんなことないよ! すごく楽しみ」
サキア「・・・・・・そっか。嫌じゃないなら、よかったー・・・・・・。 もし興味がなさそうな反応されたらどうしようと思ったら・・・・・・言い出せなくて・・・・・・」
照れ隠しのように鼻を掻く仕草に、胸がくすぐったくなる。
(そんなふうに、気にしてくれていたんだ)
サキアの気遣いが嬉しくて、私は彼に笑いかける。
○○「早く行こう?」
サキア「うん・・・・・・!」
微笑み合った後、私達は植物園への道を歩き出す。
空をどんよりと曇っていたけれど、足取りはとても軽やかだった・・・-。