毒薬の国・アベーテル 虹の月…-。
どんよりとした雲が立ちこめ、鳥達が急いで空を駆けていく時…-。
(雨、降らないといいな)
私は、アピスさんとの待ち合わせ場所へ向かっていた。
〇〇「ここで合ってると思うんだけど……」
傘を握りしめ、私は街角で立ち止まる。
アピス「〇〇」
彼の声に振り返ると、そこには……
〇〇「車!?」
(この世界にも、あったんだ)
懐かしくて、私は車の傍へと駆けよった。
アピス「何驚いてるの?」
アピスさんが、車から降りてきて私の傘を持ってくれる。
〇〇「あ、いえ……車、運転できるんですね」
アピス「まあ、好きかな。 なんか天気もちょっと怪しいし、早く乗って」
アピスさんが、助手席側のドアを開けてくれる。
〇〇「ありがとうございます」
アピスさんが優しく微笑む。
車に乗り込むと、車内には美しい音楽が流れていた…-。