第5話 くじの結果は?

街のメインストリートを抜けて、巨大な競技場に入るなり…一。

観客達「わああぁぁー一!!」

◯◯「!!」

会場が割れんばかりの熱狂と大歓声に包まれる。

◯◯「すごい歓声……」

スペルヴィア「よかった。ちょうど今、試合が始まったところみたい。盛り上がるのも無理ないわ。 あ、ほらあそこ、両チームのエース同士がいきなり戦闘よ!」

彼が指をさしたフィールドの中央を見れば、二人の選手が、激しい戦いを繰り広げている。

その刃が交わされる瞬間、再び怒号のような歓声が上がったのだった。

……

両チームとも一進一退の攻防が続き、試合も最終局面を迎えようとしていた。

スペルヴィア「残る駒は互いに8体……そろそろね。 地の国は手堅い守りで王を守り抜くスタイル……対して天の国は異能力を活かしたかく乱戦法ね」

◯◯「どっちが勝つんでしょう?」

スペルヴィア「こればかりはわからないわ。けど、ワタシだったらここは電撃戦で行くわね。 総力で一気に敵の王を狙う。これ以上の持久戦は集中力が持たないもの」

◯◯「なるほど……」

スペルヴィア「ほら、見てなさい。両チームが動き出したわ」

(スペルヴィアさん、チーム戦は向かないなんて言ってたのに、すごくよく見てる)

(こんな人がチームで指揮を取ったら、皆きっと戦いやすいんじゃないかな)

その時、フィールドの空間が歪んだかと思うと……

選手が瞬間移動し、一気に相手チームの形勢を揺るがした。

◯◯「今のは……!?」

スペルヴィア「クライヴァーは選手に異能力が与えられるの。必殺技ってやつ」

観客達「うわああぁぁ!!」

意表を突く形で勝負がつき、フィールドが熱狂の渦に呑み込まれる。

結果は、天の国チームの勝利だった。

スペルヴィア「さあ、換金に行きましょ」

◯◯「は、はい……」

スペルヴィア「接戦だったから、まあ倍率はあれだけども、記念になったわね」

◯◯「そうですね」

くじを手に、換金場へと向かおうと歩き出そうとしたその時……

柄の悪い男「今日のゲームは散々だ! あの予想屋どこに行きやがった!?」

(なんだろう?)

競技場の端から荒々しい声が聞こえ、様子を覗いてみる。

すると…一。

柄の悪い男「予想屋! 俺を騙しやがったなこの野郎!」

一人の男が背丈の低い男に殴りかかろうとしているところだった。

予想屋「言いがかりですよ! 毎度当てられるわけじゃないし、あなただって私の予想に納得した上で、そっちに賭けたんでしょう?」

大きな声を聞きつけ、すぐに係員が駆けつける。

私の横からその様子を見ていたスペルヴィアさんは、呆れたようにため息を吐いた。

スペルヴィア「何アレ、だっさ。あの人きっと、今日負けっぱなしなのね」

◯◯「スペルヴィアさん、聞こえますよ」

スペルヴィア「別にいいじゃない」

私達が見ている傍で、予想屋に噛みついていた男は係員に連れていかれる。

予想屋「ふぅ……全く大変な目にあった」

一方、予想屋は大仰に肩をすくめた後……

予想屋「……よう」

予想屋が声をかけると、柱の影から一人の男が現れる。

(あの人は……)

その姿には、見覚えがあった…ー。

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