太陽最終話 ホワイトな甘さ

夜になり、星が空に瞬き始めた。

お土産も無事に買い、私達は宿へとやってきた。

荷物を置くなり、シュニー君に呼ばれて、私は彼の部屋を訪れた。

シュニー「○○」

(やっぱり、名前で呼んでくれるんだ……)

シュニー君はいつの間にか私のことを名前で呼んでくれている。

(前よりも仲良くなれた気がして嬉しいな)

シュニー「チョコフォンデュを作ってよ。一緒に食べよう」

○○「いいんですか? お兄さん達へのお土産なんじや……」

シュニー「特別だぞ。もう一度食べたいし、お前にも食べさせたかったからな。持ち帰る分は、また明日買えばいい」

○○「ありがとうございます」

シュニー「うん……」

照れたのか、シュニー君は頬を赤く染めた。

……

チョコフォンデュの準備ができると、シュニー君はさっそくマシュマロを串に刺した。

ホワイトチョコレートをたっぷりつけると、落とさないように慎重に動かす。

シュニー「はい」

○○「え?」

串を差し出されて、私はシュニー君を見返す。

シュニー「お前の分。食べていいよ」

○○「いいんですか?」

シュニー「いいに決まってるでしょ。お前の食べてる姿は嫌いじゃない」

(シュニー君が、なんだかとっても優しい気が……)

胸をドキドキさせて、私はマシュマロを食べた。

○○「熱っ……」

思わず口元を手で押さえると、必死に冷まそうと空気を取り込む。

シュニー「なにやってるの?」

そんな私を見て、シュニー君はおかしそうに笑った。

(やっぱり違う……)

今までとは少し違う、優しくて温かな笑顔……そんな彼の表情を見て、トクンと胸が音を立てた。

シュニー「これを見つけられてよかった」

シュニー君はマシュマロにチョコソースをつけると、少し熱がりながら頬張った。

シュニー「あ……つっ」

熱さで、彼の白い頬が赤く染まっていく。

シュニー「うん。やっぱりおいしいね」

○○「はい……!」

シュニー「お前のおかげだ」

○○「シュニー君……」

シュニー「誇っていいぞ。お前が見つけてきたんだから。 下僕から昇格だ」

○○「え……?」

シュニー「そうだな……召使いでもいいけど、何かなりたいものはある? 特別にお前の願いを叶えてあげる」

(願い……)

胸の奥で小さく鳴り響く鼓動を感じながら、私は自分の気持ちを言葉にする。

○○「私、シュニー君と友達になりたいです」

シュニー「え……?」

シュニー君は驚いたのか、何度も瞬きをした。

シュニー「……いいの?」

(いいの? どういう意味だろう)

シュニー「ううん、なんでもない! いいよ! 今からお前は僕の友達だね!」

○○「はい……!」

シュニー「友達は、『はい』じゃないでしょ?」

○○「あ、そうですね」

シュニー「……『そうです』でもないよ」

(……と、言われても)

○○「突然は直せないかもしれません……」

シュニー「仕方がないなぁ。また下僕に戻そうかな……」

○○「それは待って……!」

シュニー「……」

○○「友達がいい」

必死になる私を見て、シュニー君はまた明るく笑い出した。

シュニー「冗談だよ。 ○○って、変だよね。 小さなことでお礼を言ったり、僕の友達になりたいってこんなに強く言うなんて」

○○「そう……かな……?」

シュニー「うん。少なくとも、僕の周りにはそんな人いない」

○○「シュニー君」

シュニー「変だけど、悪くないと思うよ。全然! すっごく嬉しいから!」

(もしかして、下僕って呼んでいたのも、友達って言えなかったから?)

そう思うと、嬉しそうに私を見上げるシュニー君に、たまらなく愛しさがこみ上げてくる。

(本当は最初からずっと、友達になれていたのかも……)

胸に灯る温かさを感じながら、私もクスリと笑みをこぼした。

(よかった。一緒にスイーツフェステイパルをまわれて)

シュニー「○○」

○○「はい……っ!」

シュニー君は私の首をたぐりよせると、素早く唇にキスをした。

○○「……っ」

(今、キス……された……?)

シュニー「お前は特別だ。 いずれ、僕の妃にしてあげてもいいよ」

○○「え……?」

さらりと言って、シュニー君はまたチョコフォンデュを食べ始めてしまう。

(今……妃って……)

少しずつ頭が働き始めて、私の顔が熱くなっていく。

チョコの甘い香りが、私の熱をさらに上げていくように思えた…―。

おわり。

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