○○「シュニー君……」
シュニー君は少しムッとしたように頬を膨らませ、私を見据えた。
(シュニー君、なんだか怒っているように見えるのは……気のせいかな?)
シュニー「ここで何してるの?」
シュニー君は私から店主さんへ視線を移す。
○○「実は…―」
お菓子屋の店主「キミもどうかな? 少し珍しいスイーツなんだ!」
シュニー「珍しい?」
○○「そうなんです。今、シュニー君を呼びに行こうと思って」
シュニー「そう……だったんだ」
(あれ?)
シュニー君の頬がみるみるうちに赤くなっていく。
シュニー「そっか、それならいいんだ……」
○○「どうしたんですか?」
シュニー「いや、なんでもないよ! それより、そこのお前、少し珍しいスイーツって?」
お菓子屋の店主「はい、どうぞ!」
店主さんが差し出したのは、マシュマロだった。
シュニー「なんだ。ただのマシュマロだね」
お菓子屋の店主「それがただのマシュマロじゃないんだよ! キミ、これにつけてみな!」
シュニー「これ?」
(なんだろう……?)
店主さんは、テーブルを引き寄せる。
その上には小ぶりの鍋が置かれ、湯気が甘い香りと共に立ち上っていた。
シュニー「甘い香りがする……」
シュニー君と二人で、鍋の中をのぞく。
○○「ホワイトチョコ?」
お菓子屋の店主「正解! これにマシュマロを付けて食べてみな!」
○○「シュニー君、食べてみましょう」
シュニー「そうだな」
マシュマロを串に刺して、鍋の白いチョコソースをたっぷりと絡める。
温かいソースに、マシュマロがほんのりと溶け、形を崩した。
○○「いただきます」
冷ましながら、マシュマロを口に入れた。
シュニー「!」
口の中にいれた瞬間、マシュマロがふわりと溶けた。
温かくて濃厚なチョコレートの味がそれと合わさり、口いっぱいにまろやかに広がっていく。
○○「おいしい……!」
シュニー「そうだな!」
シュニー君が目をキラキラさせてうなった。
シュニー「これだ! 見つけたぞ! ○○!」
○○「え……?」
(今、名前で私のことを呼んだ……?)
シュニー「これをお土産にしよう! ○○、いいもの見つけたな!」
○○「は、はい……! ありがとうございます……」
私の驚きに気づいていないのか、シュニー君は嬉しそうに笑った。
その笑顔は、今まで見たこともないほど輝いていた…―。