太陽最終話 通じた想い

レジェの部屋に戻ってくると、ロイさんの部屋と同じように、室内を茜色の優しい光が覆っていた。

(執事さん、いらっしゃらないのかな……?)

ベッドを見ると、レジェが寝息を立てて眠っていた。

その穏やかな呼吸に安心して、ベッドの横の椅子に腰かける。

(もう少しだけ、ここにいよう)

……

○○「……っ」

執事「おはようございます」

そっとまぶたを開けると、部屋にはさんさんと朝日が降り注いでいた。

○○「私、寝てしまって……?」

(あれ……?)

昨日レジェが眠っていたはずのベッドの上に、私が横になっている。

(ど……どういうこと?)

○○「あの……レジェは?」

執事「ご案内いたします。皆様、お待ちでございますよ」

○○「皆様?」

私は訳もわからないまま、執事さんの背中を追った……。

○○「え……」

執事さんに案内されてホールに着くと、そこにはロイさんを始め、王族の方々が大勢集まってた。

(ロイさん?国王様まで……?どういうこと?)

レジェ「朝まで傍にいてくれて、ありがとう」

○○「レジェ!」

振り向くと、レジェがまぶしい笑顔を私に向けて立っていた。

レジェ「先に起きてきてしまって、ごめんね」

レジェは私の頭に手を置いて、優しく撫でた。

○○「体調はもう大丈夫なんですか?」

レジェ「○○のお陰で、すっかり体調も戻って、このとおりだよ」

○○「よかった……」

レジェ「感謝を込めて……○○の歓迎会をしたくてね、朝食会を用意したんだ」

○○「私のために……」

レジェ「当然のことだよ」

レジェは髪の毛をかき上げてにっこりと微笑むと、私の手をそっと握った。

(レジェ……)

その手を、私もそっと握り返した。

国王様「では、始めるとしよう。○○様、我が国へようこそ」

国王様の言葉と共に、朝食会が始まった。

(レジェ……ロイさん……)

朝食会の間も、私は二人のことが気になって仕方がなかった。

二人は言葉を交わすことはなかったけれど、彼らを取り巻く雰囲気は、とても柔らかに感じられた…―。

朝食会を終えて、私はレジェと城の廊下を並んで歩いていた。

○○「ありがとう、レジェ」

レジェ「お礼を言うのは僕のほうだよ」

○○「え……?」

レジェ「君が寝ている間に、ロイが部屋に来たよ」

○○「ロイさんが!?」

レジェ「うん。ロイの部屋へ行ったそうだね」

○○「はい……すみません、余計なことを」

レジェ「とんでもない。そのおかげでロイときちんと話すことができた。あの朝食会は、ロイと二人で計画したんだよ」

○○「本当ですか!?」

その言葉に、胸にあたたかい気持ちがいっぱいにこみ上げてくる。

(良かった……!)

嬉しさに、頬を綻ばせていると……

○○「……っ!」

私の手を握っていたレジェの手が、急に私の腰元を抱き寄せる。

レジェ「○○に、心からの感謝を込めて」

レジェは私を抱いたまま、私の手の甲にキスを落とした。

その柔らかい感触に心臓が激しく波打って、息が苦しくなる。

○○「レジェ……」

レジェ「僕の中に生まれていた暗い感情を、君が払ってくれた。あの感情に負けていたら……僕はきっと、取り返しのつかないことになっていたと思う。感謝してもしきれない……本当にありがとう」

○○「そんな……私は何も」

手に触れた彼の唇の熱に、私の頬が赤く染まる。

レジェ「謙遜しないで?まあ……僕は、そんな君が好きなんだけど」

○○「!!」

レジェの瞳に、ますます顔を赤くする私が映っている。

レジェ「今度は、僕の想いを込めて……受け取ってくれる?」

彼の長い腕が、私の首の後ろを引き寄せる。

○○「……っ」

レジェ「……いいかな?」

甘い声と綺麗な瞳に魅せられて、私は小さく頷いた。

レジェ「ありがとう……好きだよ、○○」

彼の唇が、そっと私の唇に落とされる。

温かく優しいキスをされて、幸せな気持ちが満ちてきて……

(私も……レジェのことが……)

彼に全てを委ねるように、私はゆっくりと瞳を閉じた…―。

おわり。

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