太陽7話 ロイの葛藤

レジェ「今回の国議、ロイは初めての議長として本当に頑張って準備を進めていた。幼い頃から兄である僕と比べられていたりして、色々と思うところがあったんだと思う……それを僕が踏みにじってしまったんだ……もう少しあの場を、ロイに任せるべきだったのかもしれない」

苦しげに紡がれるレジェの言葉を聞いて、胸が締め付けられた。

○○「レジェ、少し休んでください……」

レジェ「……ありがとう」

レジェは再びベッドに横になる。

○○「……」

私はただ、彼の力ない手を握ることしかできなかった。

執事「ロイ様も、現在自室にてふさぎ込んでおられます」

○○「……そうですか」

(ロイさんも、ショックを受けてるんだ……)

そのことを聞いて、やるせない気持ちでいっぱいになる。

やがてレジェから、静かな寝息が聞こえ始めた。

(……レジェの力になりたい)

私はレジェの手をそっと離して、ロイさんの部屋へ向かった…―。

ロイさんの部屋に着くと、彼は窓から茜色に染まった空をぼんやりと見上げていた。

○○「ロイさん……」

ロイ「……」

彼は、一度私に視線を向けると、すぐに窓に視線を戻す。

○○「……失礼します」

私は、ベッドの横に置かれた椅子に腰掛けた。

○○「ロイさん。レジェ、今寝込んでいます」

ロイ「それは、自分が突き飛ばした傷のせいで……?」

ロイさんの視線は、変わらず中庭に向けられている。

○○「いえ、傷は大したことないみたいです。ただ、ショックだったんじゃないかって」

ロイ「ショック……?」

ロイさんがやっと、私の方に視線を向けた。

その瞳は、驚きと戸惑いに見開かれている。

○○「大切な弟さんを傷つけてしまったことが、寝込んでしまうほど、ショックだったんです」

ロイ「……あの兄様がそんな理由で寝込むなんて有りえない」

○○「そんな理由、じゃないんですよ、きっと。レジェは、ロイさんに嫌われてしまった。それなのに理由が分からないって、悩んでいました」

ロイ「……」

○○「彼は、あなたのことであんなにも傷つくんです……」

ロイさんは再び窓の外に視線を戻し、浅く呼吸を繰り返している。

ロイ「僕は……」

それ以上、ロイさんの言葉が続くことはない。

けれど、肩を震わせているロイさんを見て、私はひとつ確かなことを感じた。

(ロイさんも……レジェを傷つけてしまったことを悔いている)

○○「すみません……失礼します」

どうかレジェとロイさんの気持ちが通じるようにと願いながら、私はそっと部屋を後にした…―。

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